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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

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記事活用し討論会 視野広がり達成感(2の1)*北見・南小*ゲームで学習 賛否問う

 小学校の国語科で学ぶ「討論会」の授業に新聞を活用するところが増えている。全国の新聞社が加盟する日本世論調査会の今年初めの報告でも、最も評価されたNIEの実践内容が「記事の内容を題材に討論する」だった。身近な話題について書かれた記事を、学習の導入や主張を裏付ける論拠として使うほか、家族で新聞を読み合う「ファミリーフォーカス」で意見の幅を広げるなどの工夫を凝らし、効果を上げているようだ。(舩木理依)

 「みんなはゲーム、好きかな」。9日、北見市立南小の鍋城征爾教諭が5年松組の32人に問いかけると、「大好き」「暇があればやってる」と弾んだ声が返ってきた。

*児童に両論提示

「自分の意見を決めた理由は何?」。丁寧に児童へ声をかけながら授業を進める鍋城教諭

「自分の意見を決めた理由は何?」。丁寧に児童へ声をかけながら授業を進める鍋城教諭

道NIE推進協議会のセミナーで、国語科の単元「根拠や理由を明らかにして話し合う 討論会」(全6時間)の1時間目が公開された。同教諭は携帯用ゲーム機と教育用ソフトを使う授業に関する三つの北海道新聞の記事コピーを配った。
 最初に読んだのは連載「<子どものいる風景>第3部 ゲーム《2》活用」(2009年5月13日)。朝学習にゲーム機を取り入れた道内の小学校でかけ算などの正解率が上がり、「飽きずに学習できた」と教師が評価している。
 次に投稿欄「みらい君の広場」に寄せられた小学6年生の作品(同8月16日)二つを読み上げた。
 一方は「学力が上がったのは意欲的に勉強したから。ゲーム機とは無関係」という内容で、もう一つは「自分もこの学習法で効果が出た。やる気がわくので導入に賛成」という意見だ。
 同教諭が松組の児童にも賛否とその理由を尋ねると、賛成派からは「楽しく集中できる」「消しゴムも丸つけもいらない」、反対派からは「きれいな字が書けなくなり、視力が下がる」「みんなで勉強した方が考えが深まる」などの声が出た。
 ここで数人が「賛成と反対の間で迷っている」「いい点もあるけど、全ての授業で使う必要はない」と発言。同教諭はすぐに「賛成の理由も、反対の理由も分かるってこと?」と確認する。
 さらに「他の人の話を聞いて意見が変わった人は?」と尋ねると、3分の1ほどが挙手した。同教諭は「物事にはいいことも悪いことも両方あるし、人の意見を聞くと、幅広く客観的に考えることができるよね。討論会には、今日勉強したことを生かしていこう」と語りかけた。

*立場変え発言も

 同教諭が賛否の分かれる投稿を読ませたのは、多様な意見に触れさせるためだ。
 ゲームは子どもの生活に溶け込んでおり、授業を受けた村田詩織さんが「大人になった時のためにも今までの勉強法でいい。親もゲームには批判的だし、良い印象はない」と語るように、大半は最初から自分なりの意見を持っていたようだ。
 その上で鍋城教諭は「自分とは違う意見もあることを知らせ、視野を広げておきたかった」と狙いを語る。
 単元を締めくくる討論会では、本来の自分の意見と異なる立場で発言する機会もつくる予定。「人の話を聞き、必要な部分を取り出して自分の論拠にする力を育てたい。こうした学習の導入に、記事で両論を示すのは効果的」と話している。

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