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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

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高校新聞 震災に焦点*全道コン参加13校が特集*素朴な疑問 取材で考察*体験者談話や現地ルポ 研究大会では脱原発討論

 東日本大震災をきっかけに、震災や原発関連の記事に取り組む高校新聞が目立っている。今年の第55回全道高校新聞研究大会(道高校文化連盟などの主催)でも高校生記者が震災について話し合い、身近な問題を絡めて震災報道に力を入れていくことを確認した。(武藤理司)

震災や原発関連の記事を掲載した高校新聞

震災や原発関連の記事を掲載した高校新聞

 函館ラ・サール高の新聞は7月の震災特集で、福島県からの転入生の体験や函館朝市などの被害状況、水産業への影響などを多角的にまとめた。対岸の青森・大間原発建設中止を求める市民デモを伝え、「われわれも未来のために知識をつけるべき」と提起した。
 北海高校新聞(札幌)は7月の特集で、ヨーロッパの原発廃止の動きにも触れながら「原子力発電の危険性と自然エネルギーの可能性」を語る専門家や北電などの考えを掲載した。

全道高校新聞研究大会の分科会で震災や原発について討論する高校生

全道高校新聞研究大会の分科会で震災や原発について討論する高校生

 札幌手稲高新聞は8月、福島県での全国高校総合文化祭に参加した際に郡山市を取材。「負けないぞ福島」と書かれた垂れ幕などが張られ、復興に向けて歩む現地の様子を紹介した。
 このほかにも、震災関連の記事を取り上げた新聞は多い。今年の全道高校新聞コンクール審査委員を務めた秋田隆之・道高文連新聞専門部専門委員長(札幌西高教諭)によると、参加48校のうち、震災の特集は13校、原発の特集は2校あった。
 「生徒たちは素朴な疑問を取材や調査で掘り下げ、自分たちの問題に引きつけて考えている。高校新聞は地味だが大事な活動」と秋田教諭は語る。
 こうした中で全道高校新聞研究大会が10月5~7日、「いのちの輝き」をテーマに旭川市で開かれた。全道55校の新聞部、新聞局から約430人が参加。「社会生活を考えよう」の分科会で36人が東日本大震災をめぐり討論した。
 提言者の1人、遠藤礼菜さん(士別翔雲1年)は「脱原発を真剣に考えるのは今」と指摘し、原発事故を受けて「現在、安全とされている原発も実は安全ではない。原発から早く抜け出す努力をしなければ。校内新聞でドイツの脱原発の取り組みを知らせるなど、意識を高めていくことが大切」とした。
 討論では、原発について二つの場合に分けて考えた。《1》エネルギー消費が増えた場合は「頼らざるを得ない」「すぐに脱原発はできない」という意見が目立った。《2》エネルギー消費を抑えられる場合は「廃止すべきだ」「減らすべきだ」という方向になった。
 各メディアの震災報道の中では「新聞が一番正確で信頼できる」という意見が多く、「何度も読み返すことができる」という利点も評価された。
 また、学校が避難場所になったら「明るいニュースを取り上げ、提供していく」、今後高校新聞として「自分たちの募金や支援がどう生かされたのか、身近な視点で伝えていきたい」などの提案があった。
 分科会で助言した松本春樹・士別翔雲高教諭は「高校生も社会の一員として震災や原発の問題を取り上げ、関心を持ち続けられるような情報を提供していくことが必要」と話している。

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