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新学習指導要領 完全実施先取り*記事から思考、判断 表現、言語力伸ばす(2の1)*札幌市立中央中*内容要約し発表/問題改善へ提案

 新学習指導要領が、来年度に中学校でも完全実施され、あらゆる教科での「言語活動の充実」が求められる。コミュニケーションの基本であり、すべての学習の基盤となる“言語力”を培う活動だ。さらに全国学力テストなどの結果から、子どもたちは読み取った情報から思考、判断、表現する力に課題があるとも指摘され、国語の学習が特に重視されている。道内の中学校でも教諭が指導要領を先取りし、新聞記事の情報を生かした文章表現や意見交流を授業に取り入れ始めている。(舩木理依)

生徒が「地下歩行空間」の記事から必要な情報を読み取り、意見を発表した古畑教諭(右奥)の授業

生徒が「地下歩行空間」の記事から必要な情報を読み取り、意見を発表した古畑教諭(右奥)の授業

 今年3月に開通した札幌市中央区の大通とJR札幌駅を結ぶ地下歩行空間。この地域に近い札幌市立中央中の古畑理絵教諭は11月中旬、北海道新聞の連載「札幌駅周辺 変わる街並み」(10月27~29日)と「あす開通から3カ月」(6月11日)を使った授業を、1年生全5クラスで行った。

*自ら現場“取材”  
 今回は、新学習指導要領にある、必要な情報を集めて読み取ることと、話し合いの方向や話題をとらえて的確に話すことを狙いとし、5時間の構成。グループごとに記事から問題点などを探り、意見交換して自分たちの提案を発表するという流れだ。
 生徒は3、4人ずつの8班になり、割り振られた一つの記事を読む。さらに内容を要約したり、疑問点を見つけるなど班内で役割を分担した。
 生徒が身近な問題として考え、意見を持ちやすくするため、古畑教諭は「自分の生活に関連した歩行空間の話題を提供する」担当も設けた。中には休日や放課後、歩行空間へ出かけて“取材”し「時間によって人の流れが違う」などと報告した生徒もいた。
 発表の際は、内容や提案のポイントを示した3枚のボードを使うことが条件。簡潔な言葉を選び、グラフや図を使って分かりやすく説明するよう指導した。
 1年2組で、連載「<上>潜る歩行者 地上閑散」を担当した班の発表は、まず「開通後の地下と地上は」と書いたボードでポイントを示し、記事にある「地下歩行空間開通前後の地上と地下の通行量」のグラフを見せながら内容を要約した。
 続いて「(歩行空間は)都心部に人を呼び戻すという目的では成功」「だが地下に人が集中」という文章を挙げ、「問題点を改善するには、ロードヒーティング化を進めるなど、歩行者が地上を歩きたくなるような工夫が大切」と提案した。
 これを受け、他の生徒からは「ロードヒーティング化は予算的に難しい。地上に店舗を持つ人が雪かきするなどの努力も必要」「雪まつりの時期は地上の人出も多い。一年を通じて目を楽しませるものを並べてはどうか」など、具体的な反論や提案が出た。班での活動を経て、各自が歩行空間についての問題点を押さえ、対策を考えたことの表れだ。

*いろいろな視点
 最後に古畑教諭は「同じ記事に対して、多様な意見が出てくるのはなぜでしょう」と尋ねた。授業の本題である、情報の読み取り方につながる問いだ。
 「一つの記事の中にはさまざまな情報があり、注目する点や気づいたこと、読む時の立場がみんな違うから」「話し合いを通じて、個人の意見はさらに変わっていく」など、生徒たちは授業の実感をもとに答えていた。
 授業を通じ、グラフなどのデータを記事に照らし合わせて読み取り、他人の話を冷静に聞いた上で主張を述べるなど、成長した生徒たち。古畑教諭は「今後は一人で記事の内容を自分に関連づけ、問題点を見つけて意見を持てるよう指導したい」と話していた。

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