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NIE活用法 必修科目に*道教大釧路校の藤本講師*「中学社会」に特化し講義*記事を四つに類型化

記事の活用法を整理・類型化し、社会科教諭を目指す学生に講義する藤本講師(右)

記事の活用法を整理・類型化し、社会科教諭を目指す学生に講義する藤本講師(右)

 4月から中学校で完全実施される学習指導要領は、社会科の公民分野で「新聞、読み物、統計その他の資料に平素から親しみ適切に活用すること」と示し、記事などから情報を集め使いこなす力を育むよう求めている。しかし実際には、新聞になじみが薄いため読み取り方、使い方の学習に不安を持つ教師も少なくない。道教育大釧路校の藤本将人講師は、中学の社会科教諭を目指す学生の必修科目にNIEの指導法を取り入れ、全国でも数少ない専門教科に特化した新聞活用の定着を目指している。(舩木理依)

 藤本講師は2007年に同校へ着任、08年から3年生を対象にした必修科目「中学校社会科教育法Ⅲ」で、NIEを授業に取り入れるための講義を行っている。
 同講師は「新聞は信頼性が高く、『現在』の情報を取り入れることができる上、他の教材より安いのも利点」といい、「社会科教諭を目指す学生は、基本的な知識を身につけるべきだ」と考える。
 本年度の講義は後期15コマ中8コマ。NIEの定義や歴史、目的といった基礎知識をはじめ、実際に道内の中学校で行った授業をDVDで視聴し、記事の使われ方や効果を検証、分析している。
 講義のベースとなるのは、同講師が新聞活用法を目的別に整理、類型化した四つのポイントだ。
 この類型は《1》一つの記事を読み、書かれている事実を確認する《2》一つの記事を読み、書かれている事実を読み解き、解釈する《3》複数の記事を読み、書かれている事実を比較する《4》複数の記事を読み、書かれている情報を必要に応じて分類し直し、自らの主張の根拠とする―という内容だ。
 例えば《2》は、記事に書かれた人の思いなどを理解し、出来事の価値をくみ取る学習に当たる。また《4》は記事をディベートや意見文を書く授業で応用できる。
 「使い方を分類することで、子どもにつけたい力に合わせ、どんな記事を選べばいいのか、段階的に活用するにはどうしたらいいのかが分かりやすくなる」と同講師は言う。
 昨年11月上旬に行った本年度最後の講義は、類型《4》の検証を行った。
 「すべての記事には必ず書き手の意識が反映されている」ことを前提とし、一昨年、小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰還した際の毎日、朝日、日経新聞の記事を読み比べ、特徴を三つに分類できることを解説した。
 毎日は「はやぶさ」を擬人的にとらえる研究者の言葉を“事実”として伝えており「読者が研究の意義を心情的につかむことができる『情緒理解型記事』」とした。
 次に朝日は「はやぶさ」の達成した技術的な目的や、実験の成果に注目する記述から、研究の内容そのものが分かる「結果確認型」と位置づけた。
 日経は研究開発にかかった費用や企業の連携、今後期待される経済的な影響を紹介しており、研究に関わった人々の行為の価値を中心に組み立てられた「価値解釈型」の記事だと定義した。
 同講師は「それぞれが事実を書いているものの、書き手の意識は異なる」と押さえ、「授業では無批判に記事を示すだけではなく、なぜ、どのように書かれているのかを検証し、子どもが自分なりに解釈したり意見が持てるように工夫する必要がある」と類型《4》の指導法をまとめた。
 講義を受けた上野友見さんは「これまで新聞の内容はすべて肯定的に読んでいた。常に新しい情報を子どもに与えるためにも記事の活用は必要なので、今後は多面的に読むよう努力します」と話していた。

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