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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

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住む街への愛着育む*地理で活用 剣淵中*「過疎」学習や切り抜き分類*魅力 客観的に確認*小学校と連携も

 人口約3600人の上川管内剣淵町で唯一の中学校、剣淵中。北海道新聞の地方版や地元紙に掲載された記事を地理の授業で使って、過疎が進む中にも明るい話題が数多く掲載されていることを知らせ、街への愛着を育んでいる。NIEを通じた剣淵小との連携を目指して情報交換の場も設け、学習内容の確認も始めた。(舩木理依)

佐藤雅輝教諭

佐藤雅輝教諭

 同中は2009年度からNIE実践指定校。全学年の社会科を担当する佐藤雅輝教諭は同年度、3年生の公民科で地方自治などの授業に新聞を取り入れた。
 2学期以降、剣淵町の催しや同町の代名詞ともいえる「絵本の里」事業、観光施設「アルパカ牧場」に関する記事を北海道新聞地方版、地元紙道北日報(士別市)などから70余り集め、校内に「剣淵ニュースコーナー」を設け展示した。
 生徒は記事の数の多さに驚き新聞への関心も高まったが、催しなどの内容を「地方政治」の授業に使うのは難しい。同教諭は「自分の街が記事になっている驚きや喜びを、ストレートに生かす方法はないか」と考え、昨年度は2年生地理の単元「世界と日本の人口」の中で過疎地域を学ぶ授業で活用した。
 取り置いた新聞を生徒に渡して剣淵に関する記事を切り抜かせ、学習の締めくくりには街の良さを作文にして北海道新聞の子ども向け投稿欄「みらい君の広場」に応募した。
 しかし、佐藤教諭にはまたも疑問が残る。「生徒は過疎化が進む剣淵にも元気な話題があると知ったが、作文に出てきたのは施設の話題が大半。街の魅力はそれだけじゃないはず」
 そこで本年度は、記事をさらに深く読む時間をつくろうと、同じ単元の授業を2時間増やし、班ごとに記事を切り抜いて学校、スポーツ、行政、観光施設などに分類する活動に充てた。
 生徒たちは作業を進めながら「知ってる人の写真が出てる」「この場所、自分も好きなんだ」などと会話を弾ませた。「学校や教育に関する記事が多い」と、自分たちの日常がニュースになっていることにも気づいた。
 締めくくりに書いた作文には「地域の人が優しく、温かい」「こんなにすてきな風景がある」などと街への愛着がつづられ、昨年に引き続き「みらい君の広場」へ応募した。
 1月中旬に大川晏奈さんの作品が採用されるとほどなく、これを読んだ女性の「故郷の剣淵町へ 道南からエール」と題した投稿が「読者の声」欄に掲載され、生徒たちの喜びはより深まった。
 「クラスの半数以上は『大人になってもここに住み続けたい』と言う。新聞を取り入れることで街の良さを客観的に確認できたと思います」と佐藤教諭は手応えを感じている。
 同中は、昨年度からNIE実践指定校になった剣淵小との連携も目指す。今月3日、佐藤教諭は同小でNIEを担当する久川聡教諭と初めて情報交換の場を設けた。
 佐藤教諭は同小3~6年生が毎年、総合学習のまとめなどで新聞を製作していると聞き、「記事の構成が理解できているなら、中学校ではすぐ授業に記事を使えますね」。
 久川教諭も「定期的に絵本の読み聞かせを行っているが、より新聞に親しませるため、記事を読み聞かせることができるかもしれない」と言う。
 高橋修同町教育長は「剣淵は教育に関心の高い町。NIEについても、教師同士が勉強する時間や財政の確保など協力は惜しまない」と支援の姿勢を示している。

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