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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

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NIE共同研究 報告セミナー(2の1)*情報読み解く力つく*国語 教材開発に手応え/社会 意見の表現に有効/総合 広告作りでも成果

 日本新聞協会と日本NIE学会は10日、NIEが情報読解力の育成に及ぼす効果を検証した共同研究の報告セミナーを日本新聞博物館(横浜市)で開いた。両者初の共同プロジェクトとして2008年度から3年間、国語、社会、総合の3分野で実施。「NIEが情報を読み解く力の育成に有効」と成果を発表した。共同研究の実践例などとともに報告内容をまとめた。(武藤理司)

共同研究の成果を発表するパネリストら

共同研究の成果を発表するパネリストら

 セミナーでは研究代表の小原友行日本NIE学会長(広島大教授)がコーディネーターを務め、「NIEではぐくむ情報読解力」をめぐり各分野の責任者らが討論した。小中高校の教師を中心に全国から81人が集まった。
 国語の阿部昇秋田大教授は、フィギュアスケートの浅田真央選手の五輪出場決定を伝える二つの記事の印象の違いから書き手の意図に気付かせたり、お祭りの記事にふさわしい写真や見出しを選ばせる授業などを紹介。「NIEは文章を構造的につかみ、評価、批判する力、自分の意見を表現する力を養うのに効果を発揮する。新しい教材の開発にも手応えがあった」と話した。
 また「絆」「家族」などのキーワードに関する記事を選んでコメントを付けて発表し、相互評価する授業の実践などから「教育方法・学習方法の確立にも見通しがついた。NIEは小学校の中学年ぐらいから十分可能」と語った。

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 社会の谷田部玲生桐蔭横浜大教授は小中高校に分けて報告。高校では「地球温暖化と持続的な社会」を考える授業で、08年の北海道洞爺湖サミットの記事を使うことにより生徒の関心や理解が深まり、「NIEは批判的読解力を育て、具体的な資料や事例を挙げながら自分の考えを表現するのに有効」と話した。
 中学校の公民では経済分野で活用した新聞広告について「生徒の興味や関心を呼び起こす学習材として可能性がある」と評価した。
 総合の阪根健二鳴門教育大大学院教授は、既存の行事や学習と絡めたNIEの実践を説明。職場体験では訪問後に礼状を兼ねて職場の特徴や良さをPRする新聞広告作りを行い、仕事の意義などを理解させるのに成果を挙げたという。
 また「社会と向き合う授業」として裁判員制度を地域住民に紹介する新聞を作ったり、震災の記事を使った授業などを示した。NIEは急激な社会の変化に対応するために有効との考えから「総合的な学習は教科書がないので難しいという声もあるが、NIEでくくれば何でもできる」と指摘。福祉や環境、防災などさまざまな教材開発が可能だとした。

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 会場からも発言があった。埼玉県の小学校教諭は「NIEのメリットは口コミで少しずつ広まっている。ウナギはどこで卵を産むかといったトピック的教材はNIEが絶対強い」と述べた。新聞社の立場からの要請もあった。新聞を読む教師が少ないという実情を踏まえ「先生の情報読解力を磨いてほしい。よく『NIEを始めるのにいいテキストはないか』と言われるが、テキストは日々の新聞。先生が本物の新聞に触れることで教材の開発ができる」とした。
 小原コーディネーターは「共同研究は学習指導要領の改訂を意識したものになった」としながら、東日本大震災が起きたことで「NIEは情報読解力を育成するだけではなく、希望を見つけ、届けていくという使命を新たに背負った」と締めくくった。

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