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記事の内容「自分事」に*NIEの意義 阪根・鳴門教育大教授が講演*背景の意味とらえ社会と向き合おう

 日本NIE学会常任理事の阪根健二・鳴門教育大大学院教授の講演会「メディアと教育~教育関係者が知っておきたいメディアとの付き合い方~」が12日、札幌市中央区の北海道新聞社で行われた。中学校教師などの経験を踏まえ、子どもたちが新聞を通じて社会と向き合う必要性などを訴えた。(武藤理司)

「記事の背景や記者の気持ちも考えて」と話す阪根教授

「記事の背景や記者の気持ちも考えて」と話す阪根教授

 阪根教授は父親が四国新聞社(高松市)の記者、役員を務めた。幼少期から新聞に親しみ、時事問題や教育に関心を持ってきた。
 「新聞の活用」を盛り込んだ新学習指導要領が順次実施されているが、「なかなかNIEの追い風にはならない」と指摘。メディアと教育界が互いの文化を理解し、共同していくことが必要とした。
 新聞の効用は「情報の『報(しら)せ』を読むことだけでなく、背景にある『情』を読むこと、つまり『他人事』でなく『自分事』として情報をとらえていく」(植田恭子日本NIE学会副会長)という言葉を引用し、「情」の大切さを呼びかけた。
 その一例として高校現代社会の出前授業に四国新聞記者を招いた経験を紹介。この記者は新人のころ、全国高校総体バスケットボール競技で同点シュートを決めた選手の写真を撮りそこなったため、この選手の名前を記事に何度も書き込んだ。決定的瞬間に構えていたカメラを置いてしまい、「やったー」とガッツポーズを取ったという。「記事の向こうに人がいる。記者の思い、記事の意味が見えてくると、新聞を深く面白く読めるようになる」と説明した。
 また震災や原発事故に関連して、「僕のお父さんは東電の社員です」という小学6年生の手紙を伝える新聞記事を使って行った授業を示し、子どもたちが記事に書かれた内容を自分の問題としてとらえる重要性を語った。
 阪根教授は日本NIE学会と日本新聞協会の共同研究「情報読解力を育成するNIEの教育的効果」で総合学習部門の責任者を務めた。教育現場が多忙になるなか、既存の学校行事や総合学習と絡めたNIE実践が有効だと提案した。
 例えば中学校で実施した職場体験では、訪問後にその職場の良さを新聞広告としてまとめさせた。幼稚園を訪れた生徒は「『ありがとう』感謝の気持ちを出せる子どもに」というコピーを付けた。「この幼稚園の本質をとらえていて先生方も感動した。中学生とは思えない見事な作品」と成果を話した。

 さかね・けんじ 1954年、神戸市生まれ。東京学芸大大学院修士課程修了。香川県内の中学校の教諭や教頭、県教委の指導主事などを歴任。香川大を経て2008年、鳴門教育大大学院准教授、11年から同教授。

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