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「CDプレーヤー寄贈」「和太鼓ユニット結成」*音楽の影響力実感*札幌国際大・駒ケ嶺講師*社会との関わり 討論深める

 札幌のメゾソプラノ歌手で札幌国際大人文学部非常勤講師、駒ケ嶺ゆかりさんは担当する音楽I(歌唱、理論)の授業に新聞を取り入れて3年目になる。NIEの本場フィンランドに留学した際、新聞を使った授業で語学力を磨いた経験からヒントを得た。「新聞を通して音楽と社会との関わりを実感し、音楽を学ぶ意義を再認識してほしい」と取り組んでいる。(武藤理司)

新聞記事を使い、音楽と社会の関わりについて話し合う学生たち。手前左は駒ケ嶺講師=15日

新聞記事を使い、音楽と社会の関わりについて話し合う学生たち。手前左は駒ケ嶺講師=15日

 「記事の中で『音楽は心を開いたり、自己表現したりする力がある』という社長さんの言葉に共感した」。15日の音楽Iの授業。佐藤彩奈さん(20)は黒板の前に出て、札幌の会社が道内の児童、障害者施設計100カ所にCDプレーヤーを寄贈した記事(5月22日北海道新聞朝刊札幌版)に注目した理由を発表した。
 学生は「音楽療法の研修に参加しているが、音楽が障害のある子に影響を与えられることが伝わってきた」などの感想を出し合った。駒ケ嶺講師は「音楽は人間の感情に直接訴える。ハーモニーやメロディー、リズムが一緒に時間を過ごそうという気持ちにさせてくれる」と語り、音楽療法の意義を解説した。
 もう1人の発表者、今田浩斗さん(20)は、米国での演奏経験がある19歳女性ら札幌の若手3人が和太鼓ユニットを結成したという記事(6月8日北海道新聞夕刊)を取り上げた。「自分より年下の人がアメリカで太鼓をたたいたのはすごい。若い世代で太鼓をやる人が減ると文化がすたれていく」と話した。
 音楽Iは心理学科3年生の選択科目(2単位)で、受講生は24人。歌唱や楽典の勉強と並行して、それぞれ興味のある新聞記事を選び、順次授業で発表。それを基に討論する。
 駒ケ嶺講師は1998年から3年余り、フィンランドで声楽を学び、ヘルシンキ大学のフィンランド語集中クラスに通った。同国はNIEが盛んで、授業には新聞を活用。駒ケ嶺さんは、住んでいたアパートにバスが突っ込んだときの記事などを発表し、各国の学生とフィンランド語でやりとりをしながら語学力を身につけた。
 この経験を生かし、札幌国際大では講師となった2010年度から学生に興味を持った新聞記事を発表させている。「音楽が社会とどのように関わっているかを見つける材料に」との考えからだ。
 昨年度の受講生は22人で、東日本大震災関連記事の発表が目立った。例えば現在4年の飯田梧乃(ことの)さん(22)は、岩手県の三陸沿岸で1933年(昭和8年)の三陸大津波の後に作られた「津波の歌」が歌い継がれているという全国紙の記事を選んだ。「被災した人は震災復興へのメッセージを受け取るだけでなく、発信もしている」と言う。駒ケ嶺講師は「人の命に音楽がかかわる記事をみんなよく見つけてくる」と感心する。
 音楽Ⅰは保育関係の仕事を目指す受講生が多い。駒ケ嶺さんは「記事を使うことで学生と話が広がるようになり、授業が双方向になってきた。学生が将来、子どもたちに音楽の楽しさを伝えるうえでも役立つはず」と期待している。

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