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奥尻取材の記者が出前講座*事前に学び修学旅行充実*札幌常盤中*津波、復興「見学に役立った」

 札幌市立常盤中(加藤一郎校長)は本年度、同市内の中学校で唯一、1993年7月の北海道南西沖地震で被災した檜山管内奥尻町を修学旅行で訪れた。3年生81人は出発前に北海道新聞の出前講座で、震災後の奥尻を取材した記者から地震による被害状況や復興の歩みを勉強、研修内容を充実させた。(森田一志)

 生徒たちは修学旅行後の6月、「事前の講座で島をのみこむ津波などのことも詳しく聞いており、見学に役立った」などと口々に感想を述べた。
 出前講座は地震発生から約1カ月後に奥尻を取材した北海道新聞NIE推進センター委員が講師を務めた。「奥尻で大規模火災」「土砂崩れでホテル倒壊」―。発生翌日の朝刊コピーなどを配り、被害の様子や死者・行方不明者が日本海沿岸を中心に計230人に上った災害を詳しく説明。「島の電線に海藻がかかっていた。島民はビル数階ほどの高さの津波に襲われた」と語り、地震への備えと心構えの必要性を訴えた。
 また、生徒たちは4月から旅行のしおり作りを始め、奥尻島の被災状況などを調べてきた。加藤校長によると、出前講座はこうした予備知識の補足が目的だ。
 常盤中は東日本大震災のため、修学旅行先として青森県・十和田湖などを断念。昨年に続き南西沖地震の教訓を学ぶ奥尻島など道南へ切り替え、5月下旬に実施した。
 3泊4日のうち、奥尻島滞在は2日間。島北端の賽(さい)の河原から始まり、津波と火災で壊滅的な被害を受けた青苗地区の奥尻島津波館では、鎮魂と復興の歩みを後世に伝える写真パネルなどを見学。同館は「とても真剣に写真で被災状況を見てくれた」という。また、防潮堤や避難経路を見て回った。「港の防災の工夫を知り、参考になった」と代表委員の田代蒼さん。生徒会長の前田奈緒美さんは「実際に歩いてみて、復興の様子が分かった」。
 加藤校長は「生徒は出前講座で被害の目撃証言を聞いていたので、当時の状況を頭の中でイメージ化できたのでは」と話している。
 札幌市教委によると、市内の中学全97校の本年度修学旅行で、奥尻訪問は常盤中1校だが、昨年3月の震災で直撃を受けた東北地方で1泊以上したのは43校に上り「何らかの震災学習に取り組む学校が増えている」(学校教育部)という。

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