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表現力向上の手引きに*「道新でワークシート」活用ガイド発行*執筆陣の横道教諭*言葉の学び方工夫

『道新でワークシート』活用ガイドブック

『道新でワークシート』活用ガイドブック

 北海道新聞NIE推進センターは「『道新でワークシート』活用ガイドブック」を発行した。中学の国語編と公民編で、本紙NIEのページと北海道新聞NIEのホームページで連載中の「道新でワークシート」を使った学習展開例などをまとめた。本年度、中学校で全面実施された学習指導要領に沿って、子どもが新聞の情報をもとに考え、表現する力の向上を目指すヒントが盛り込まれている。執筆者らは「社会参加の意識を高めるための教材にしてほしい」と期待している。(舩木理依)

 「国語編」の執筆者の一人、札幌市立中の島中の横道幸紀教諭は、子どもになじみの薄い言葉を多用しているという、新聞離れの一因を逆手に取ったシートを作成して活用ガイドに掲載、2年生の授業に取り入れた。8月3日に札幌市内で開かれる道国語教育連盟の研究交流学習会で報告する。

自ら作成したワークシートを使い、国語の授業をする横道教諭

自ら作成したワークシートを使い、国語の授業をする横道教諭

 授業をしたのは7月9日。教科書(光村図書)の単元「読書と情報」で、「梁(はり)」「閂(かんぬき)」といった言葉が出てくる説明文「五重の塔はなぜ倒れないか」(上田篤)を学ぶ導入に使った。
 シートは、新しく開発されたごみステーションについて報じた記事「折りたたみ式でごみ捨て便利に」(2月10日)を使用。設問1で文中にある「蛇腹式」の説明を求めている。
 横道教諭が「この言葉を聞いたことのある人は?」と聞くと、10人ほどが挙手したが「説明するのは難しい」ともどかしそう。
 「記事にヒントがあるね。作ったのはどんな会社?」と尋ねると、「JR北海道グループ」「あ、列車のつなぎ目が蛇腹」「伸び縮みして物と物を自由に動かすのが、蛇腹だ」と、設問1の解答がまとまった。
 二つ目の問いは、このごみステーションの利点を三つ挙げる内容。生徒は前文や本文から答えを読み取ったが、横道教諭が「文章を読まなくても分かるよ」と、見出し「ネットに触らず清潔」「カラスの進入防止」を指すと、はっとした表情に。「これが新聞というメディアの特徴です」と同教諭は強調した。
 興味深げに授業を受けていた岡田愛凜さんは「楽しかった。知らない言葉はあるけれど、前後の文章から何となく分かる。授業で使うからこそ、新聞をじっくり読めるんだと思う」。
 子どもの語彙力の低下が危惧される中、「新聞を使えば、言葉を知る機会が確実に増える。事前に家庭学習で意味を調べておけば、長文の記事も取り入れられるはず」と横道教諭は話している。

*学習展開例を紹介
 活用ガイドは、これまで掲載したシートと新規作成分のほか、関連記事や記事選びのポイント、学習の展開例を紹介している。
 国語編は道国語教育連盟に執筆を依頼。横道教諭をはじめ高橋伸(札幌市立中央中)、新井拓(同市立前田北中)、黒田諭(道教大付属函館中、現渡島教育局指導主事)、太田諭(同大付属釧路中)の5教諭が担当した。
 同連盟の研究部長でもある高橋教諭は「生徒が新聞を読むには、図書と同様に指導が必要」と実感している。その上で「記事を使い、結論の出ていない問題がどうなるのか考えることで、社会参加の意欲が高まると思う」。
 公民編は、札幌市社会科教育連盟中学校研究部長の太田和幸教諭(札幌市立山鼻中)が担当した。「社会科の指導には、最新のニュースを伝える新聞が不可欠」と言い、多くの教諭に自らシートを作ってほしいと考えている。「新聞を読む視点が変わり、問題意識もさらに広がるはずです」
 いずれもA4判で国語編は48ページ、公民編は44ページ。「道新でワークシート」は毎月最終月曜日朝刊「NIEのページ」と北海道新聞のNIEホームページで連載している。

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