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現地取材 厳しく鋭く*上磯中新聞部*道新幹線工事に肉薄*事前学習、反省会しっかり

 道内の中学校かべ新聞づくりで最近、成長が著しいのが北斗市立上磯中学校新聞部だ。中学では珍しい新聞部として活動し、コンクールでも上位に食い込みを見せる。北斗市内で急ピッチで進む北海道新幹線の建設工事現場のかべ新聞取材に同行し、その秘訣(ひけつ)を探った。(森田一志)

高さ10メートルの足場の上で新幹線の取材をする新聞部の中野部長(中央)ら3人と山崎所長(右)

高さ10メートルの足場の上で新幹線の取材をする新聞部の中野部長(中央)ら3人と山崎所長(右)

 地上から高さ7メートルほどにある高架橋。稲穂が実る田んぼが広がる中、木古内―新函館(仮称)区間の38キロも形を見せ始めた。レール敷設こそまだだが、拠点の新駅が姿を見せるまで2年余りと迫っている。
 残暑厳しい14日、新聞部部長の中野梨沙さん=2年生=ら3人は放課後、鉄道・運輸機構北斗鉄道建設所の山崎貴之所長(37)らを相手に取材を進めていた。山崎さんは北斗市内の土木工事全般の現場責任者だ。
 新聞部「暑さ対策はどうやってますか」
 建設所「水や塩あめを常備しています」
 新聞部「けがや事故を起こさないためには」
 建設所「安全な設備を造り、働く人たち一人一人がコミュニケーションを取れるようにしています」
 山崎所長は取材後、「報道機関とはひと味違った厳しい質問もありましたね」と苦笑する。

北海道新幹線整備計画路線

 新聞部員は現在10人。顧問の岩本宜之教諭(46)はインタビューを最も重視する。「自分の目で見て触って人の話を聞くことで、初めて中学生としての考えがまとまる」。目指すは「突っ込みインタビュー」で、そのノウハウはもちろん、事前学習、アポ(面会の約束)取り、終了後は反省会も行う。丹念な新聞づくりを心がけている。
 中野さんは新幹線現場の取材は昨年に続いて2回目になり、「以前は橋脚があっただけでしたが、ずいぶん景色が変わりました」と現地取材は収穫も大きかったようだ。先輩の取材を見て学ぶ鍋谷穗花さん=1年生=は「工事で働く人の話をまとめたい」と構想を膨らませる。
 取材力を磨くため、週末の登校は当たり前という部活動だ。毎月1回、学校新聞「北斗(ほし)につなげ」(B4判)の発行があり、全校生徒700人に配られる。1年生も入部直後から、先生の紹介インタビューをこなす。これに加えて10月の学校祭が近づくと、20クラスのかべ新聞講習会の講師役も務める。「運動部並みの忙しさ」(岩本さん)という。
 新聞部は活躍の場を広げるため同好会から昇格し創部5年目。最近は年明けに地元タウン紙1万7千部の一部紙面づくりも任され「子どもの自信にもつながっています」と岩本さん。こうした実績が実を結び、全道のかべ新聞コンクールは昨年、1年生が大賞、3年生が準大勝のダブル受賞。3年生の準大賞は2年連続だった。
 中野さんは「貴重な経験ができる。それがインタビュー取材の醍醐味(だいごみ)」と新聞づくりの魅力を語る。そんな長女について母の千鶴子さん(41)は「いつも部活の宿題のようなものがあり、考え込むことが多いです」と成長ぶりを頼もしく話している。

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