NIEニュース
北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

NIEのページ

Page of the NIE

年間計画表 深まる学び*活用法一目 児童向けも*福井や鹿児島

 新聞を使った授業を進めるうえで、教科や単元と新聞の活用法が一目で分かる一覧表があれば便利だ。道外には、こうしたNIEの年間学習計画表を作る小学校がある。個々の教師が実践するだけでなく、学校全体で子どもたちの力を育てるのに役立てている。(武藤理司)

H24年度 上庄小学校NIE計画表

 
新聞づくりで集まった苫小牧西高新聞局の局員と顧問の古川博之教諭(左から2人目)

新聞づくりで集まった苫小牧西高新聞局の局員と顧問の古川博之教諭(左から2人目)

 1年生は「みだしクイズ」で「新聞と親しむ」から始め、4年生は「生き物への責任」で記事を読み考えを深める。6年生は「わたしたちの生活と政治」で社会とつながる―。福井県大野市立上庄小の2012年度NIE年間計画表の一例だ。
 新聞活用で育てたい力を「社会への興味関心」「思考力」「判断力」「表現力」と位置付け、縦軸に学年と教科、単元名、横軸には発達段階に応じた活動内容を示す。1~6年の国語、社会、算数、理科、図工、道徳、総合など計約90の単元と、33の新聞活用法を相関させた。
 上庄小はNIE実践指定校となった10年度から、この計画表を作っている。土台は昨年7月、福井市で開かれたNIE全国大会で寺尾健夫福井大教授が提唱した「学びのステップアップ表」。見通しを持ったNIE活動をと、担当の古川典子教諭(日本新聞協会NIEアドバイザー)が全校の教諭の意見を聞きながらまとめている。
 実践2年目からは児童向けの計画表も作成。子どもたちが提案した新聞活用例と教科や単元を示す大きな表を学年ごとに廊下に張り出す。例えば4年生のアイデアは「月や星の記事をさがそう」(理科)、「福井県のできごとが分かる記事を集めよう」(社会)といった具合。自分たちで作った計画表で先の学習内容が分かるので、子どもたちは意欲的に記事を集めるという。
 上庄小はこのほか、昼の校内テレビ放送で興味を持った記事の発表、新聞への投稿など多彩な活動を行う。全校児童191人を対象とした昨年11月のアンケートで、新聞を使った学習は「とても楽しい」「楽しい」が計95%に達し、前年度を8ポイント上回った。新聞を使った活動で、読み、考え、表す力が「よくついた」「どちらかといえばついた」は計91%で同5ポイント増だった。
 古川教諭は「学年を追うごとに学びが広がり深まっている。新聞活用の取り組みには難しく高度なことも多いが、子どもたちが本当の学びの楽しさを感じてくれるのはうれしい」と成長を喜ぶ。
 上庄小を参考にNIE学習計画表を作ったのは本年度、NIE実践指定校となった鹿児島県出水市の蕨島(わらびしま)小。担当の中野嘉彦教諭が昨年のNIE全国大会で上庄小の計画表を知り、学校全体での活動を目指した。
 蕨島小は全校児童11人の複式校で、担任教師が3人の小所帯。上庄小の計画表を踏襲しながらも、子どもたちの実態に応じて「新聞を読む」を音読と黙読に分けるなど手直しした。中野教諭は「計画表という指標があるので、先生方が無理なく新聞を活用できる。1年間の経験を生かして新年度はより蕨島小らしさを出した表にしたい」と語る。
 北海道NIE研究会副会長の上村尚生・札幌市立稲穂小校長は「札幌ではNIE学習に焦点を当てて全学年を見通した学習計画表の作成例はまだないと思う。計画表があると、NIEを教育課程に位置付けることができ、各学校の特色に合わせた実践がしやすくなる」と話している。

ページ上部へ