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要点まとめ主張磨く*「今日の一枚」1年間続け 読解力や表現力向上*旭川・永山小5年

 旭川市立永山小(森谷一夫校長)の5年生は、朝の会で日直が気になった新聞記事の要点と自分の主張を発表する「今日の一枚」に取り組んでいる。学年全体で1年間続けた結果、子どもたちは自分の意見を文章にまとめて人前で発言できるようになり、地域社会への関心も広がってきた。道北のスクラップコンクールでは永山小5年生が上位を占めた。(武藤理司)

「今日の一枚」の発表後、震災の記事をめぐり話し合う大武教諭と児童たち=3月7日、旭川市立永山小5年3組

「今日の一枚」の発表後、震災の記事をめぐり話し合う大武教諭と児童たち=3月7日、旭川市立永山小5年3組

 「札幌交響楽団(札響)も素晴らしいと思うけど、地方のイベントなので、旭川の吹奏楽部やバンドが演奏した方がもっと地方を知ってもらえる」
 今年2月、5年3組の朝の会。旭川市公会堂で4月3日の改修オープン記念に札響アンサンブルの演奏会が開かれるという記事(2月19日北海道新聞朝刊旭川版)に対し、佐々木りこさんは、こう主張した。担任の大武敦史教諭は「先生も全く同感です。素晴らしい意見です」とほめた。

*計200字に
 「今日の一枚」は昨年4月、5年生3クラスの担任が歩調を合わせて開始した。読解力や思考力、表現力などを向上させる一環だ。
 日直が関心を持った記事を学年共通の発表用紙にスクラップし、朝の会で「記事のポイント」と「聞いて!私の主張」を各100字、計200字にまとめ発表する。1年間で1人当たり5~10回余り。事後に教師がコメントを添えることが多く、教室に張って互いに見られるようにしている。
 新聞を取らない家庭もあるので事前に保護者説明会を開き、インターネットの記事も使えると伝えた。
 2組の上ノ沢千尋教諭は「初めは書く力が弱かったが、新聞を読むことで徐々に構成力がついてきた」と、1年間を振り返る。当初は50字ほどしか書けない子もいたが、次第に200字を埋められるようになったという。
 昨春、「旭山動物園がもっと有名になってほしい」と書いた児童は11月、「節電目標達成 旭川市の施設」という記事を基に「節電を自分からやろうと思いました」と発表した。記事には書かれていない「さっぽろホワイトイルミネーション」の開始時期や冬に星がきれいに見える理由などを調べて報告する子もいる。

*賞総なめ
 取り上げるのは旭川や周辺地域の記事が多く、地元への関心、愛着も高まっている。1組の辻起大(おきひろ)教諭は「子どもたちが地域に目を向け、旭川全体の動きが見えるようになってきた」と言う。
 日直の当番ではなくても、児童は家で新聞を読むようになったという。昨年の第2回道北小中学生新聞スクラップコンクール(北海道NIE研究会道北支部主催)では、小学5年生の部の最優秀賞、優秀賞を永山小の4人が独占した。
 東日本大震災から2年の節目が近づいた3月7日、5年3組の朝の会で児童4人が登壇した。
 「いまだに行方不明者が2698人もいるなんてびっくり」(北海道新聞2月26日朝刊の記事から)。この発表に大武教諭は「永山小の全校児童は約700人。その4倍近い人がまだ見つかっていないんだね」と語りかけ、安心して暮らせるのが当たり前ではないことに気付かせた。
 大武教諭は「『今日の一枚』を始めた当時は楽しい、面白いという簡単な感想が多かったが、徐々に自分の意見や考えを言える力がついてきた。多彩な切り口のある新聞や級友の発表を通じて、子どもたちの視野も広がっている」と話している。

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