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芽室高校新聞局*取材通じ「地域見る目」*丹念に声拾い問題提起

 十勝管内芽室町で7月6、7日に開かれる「新・ご当地グルメグランプリ北海道」(実行委主催)の応援団に芽室高校新聞局が加わった。JR通学列車増便のきっかけをつくるなど「芽高新聞」の粘り強い取材力をイベント発信へとシフトし、紙面づくりを通じて地域を見詰める目を育てている。(森田一志)

新聞局に集い、取材や新聞づくりの打ち合わせをする局員たち

新聞局に集い、取材や新聞づくりの打ち合わせをする局員たち

 前期中間テスト最終日の6月7日夕、4階の新聞局に局員数人が集まった。顧問の石森由香利教諭、実行委の渡辺浩二事務局次長とグルメ大会の打ち合わせをした。

*イベントで号外
 「芽室のマチをぜひ知ってもらいたい」「私たちのメッセージを号外にしよう」
 十勝初のグルメ大会会場は芽室公園。道内15地域の自慢の味がそろう。「富良野オムカレー」「オホーツク北見塩焼きそば」などの常連のほか、地元の「十勝清水牛玉ステーキ丼」「十勝芽室コーン炒飯(チャーハン)」のコーナーも。
 事務局の想定では入場客は計3万人。芽室高新聞局は計1千枚の号外を発行する。毎月制作しているB4判2ページ大に、大会のキャッチコピーや町内のお勧めスポットなどを紙面化し、局員全10人が手分けして配布する。
 実行委が新聞局の協力を求めるのは、JR増便などにつなげた発信力に期待したからだ。「芽高新聞はマチを動かす力があるから」と渡辺事務局次長。
 高校は近接する帯広などからの通学生も多い。以前、最寄り駅の根室線大成駅の停車本数は少なく、生徒会アンケートで「午後6時台に列車がほしい」と全校の6割強が希望した。
 この声をすくったのが2006年7月号の芽高新聞。その後も問題を提起し、町もJRに働きかけた。08年3月、大成駅から帯広行き午後6時22分発の列車増発が決まった。
 直前の2月号では「ついに実現」と喜びを表した。元新聞局長で帯広市内の看護師、亀井由里香さんは「卒業間際だったのでびっくり。サポートしてくれた先生が大変だったはず」と振り返る。

*愛情込めて執筆
 石森教諭は3年前に着任した。新聞づくりは未経験だが、「取材は足で稼ぐ。思い込みをせず相手の話を尊重することを当時の顧問や生徒から私自身が学び、いま生徒に教えている」。ネット情報頼みは論外という。
 新聞局の伝統は戦後早くの発刊までさかのぼる。休刊を経て月1度のペースで今年3月に再刊230号を迎えた。発行部数約800。在校生470人余りのほか、芽室町内に出回る。局員は取材編集とカメラ撮影で分業。パソコンで打ち出した記事を印刷して切り張りする。
 この新聞づくりを代々支えてきた合言葉は「新聞は愛」。工藤有加局長(3年)は「先輩たちの口癖でした」。石森教諭は「まず芽高生に読まれ、それが地域に広がっていけば」ととらえる。「つまり愛情を込めて記事を書くことだよね」と局員たちは日々、取材に向き合っている。

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