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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

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記事データベースで授業づくり*広島の中学 地域が導入支援*情報の集め方学び 紙面読む習慣づけ

 幅広い情報を、短時間で集められる記事データベース。メディアの扱い方を学ぶと同時に、適切なキーワード選びを通じて毎日のニュースに関心を持たせる効果も期待できる。広島、山口県内では多くの小中高校が中国新聞のデータベースを導入し、そのうち広島県福山市立山野中では、地域住民が利用料などを負担、過疎地に住む子どもたちへ情報教育の充実を図っている。
(舩木理依)

江村教諭(左)の指導で、記事データベースを検索する福山市立山野中の3年生

江村教諭(左)の指導で、記事データベースを検索する福山市立山野中の3年生

 人口約800人の福山市山野町は、山間にある農業地帯。全校生徒10人の山野中は本年度、NIE実践校に認定されたばかりだ。
 保護者参観日となった6月下旬の日曜、江村敬臣教諭が行う歴史の授業では3年生4人が各自タブレット端末を使い、昨年導入した記事データベースを検索していた。
 江村教諭は「冷戦終結後の世界は平和になったのか探ろう」と問いかけ、「湾岸戦争」などをキーワードとして提示。「対象期間を絞らないと、記事が出過ぎて困るよ」「切り抜きを見るにはPDFをクリックして」など使い方を細かく伝える。
 川相諒真君は、シリアで日本人ジャーナリストが死亡したことを思い出し、同教諭に名前を尋ねて調べた。「紛争地帯を取材してきた山本美香さんだと分かった。ニュース番組を見た時より詳しく知ることができた」と満足そう。

*新聞と併用を

 「ニュースを知らなければ、適切なキーワードを選べない」。江村教諭はデータベースと新聞の両方を使うことが重要だと考えている。公民の授業では毎回、一人の生徒に興味を持った記事の内容や感想を発表させ、紙面を読む習慣づけをしている。

*教職員に研修

 また、多くの教科で活用するため、放課後には中国新聞メディア企画部の園部貴之さんを招き、教職員研修を行った。パソコンを使って検索の手順を確認し、「討論会の主題を探す時は、記事の内容を確認しなくても、『見出し一覧』が参考になります」などの助言を受けた。
 「過疎地に住む子どもには、情報を集める技術が必要。メディアの使い方を学校で指導してくれれば安心です」。授業参観に来た保護者の池田悦子さんが言うように、導入の背景には、地域の期待がある。5台のタブレット端末の購入費と月2520円(10ID)の利用料は、地域住民でつくる後援会が負担する。
 こうした需要を背景に、中国新聞は個別の学校だけではなく、配布エリアの広島、山口県東部の14市町教育委員会とデータベースNIE版を一括契約。広島県の小中高校の約3割、山口県東部の約1割に当たる計271校が導入している。また、月2回朝刊に掲載する「デジタルのページ」で学校での活用例を紹介、教師へ情報提供も行う。
 道内では、札幌市教委が市立中99校に北海道新聞のデータベースを導入しているほか、道立高などが個別に契約を結んでいる。ID管理のため、使えるパソコンを限定する学校も多く、主に教師が教材作りに使っているようだ。
 だが、中国新聞の園部さんは「今後増えるのは、インターネット上で信頼できる情報を選ぶ学習への活用」とみる。「そのためには保護者などにもデータベースの利点を知らせて後押ししてもらい、地域ぐるみのNIE活動へと広げたい」と話している。

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