NIEニュース
北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

NIEのページ

Page of the NIE

静岡で第18回全国大会(2の2)*討論重ね 深まる理解*見出し、どうつける?*答え 違っていい

 国語の公開授業「この見出し、どうつける?」は「NIEは初心者」という静岡市立城北小の漆畑浩明教諭(40)が行った。
 漆畑教諭は昨年度、同校がNIE実践校に指定されてから新聞活用に取り組んだ。本年度は5年4組の担任。「新聞っておもしろいの?」(3時間)「新聞ってどう読めばいいの」(2時間)の二つの単元で新聞の特徴や見出しの役割を教えたのに続き、公開授業が単元「ものの見方を広げよう」全3時間の1時間目となる。

自分たちが考えた見出しを見ながら話し合う静岡市立城北小5年生と漆畑浩明教諭(左)

自分たちが考えた見出しを見ながら話し合う静岡市立城北小5年生と漆畑浩明教諭(左)

 使った記事は、サッカー日本代表DF今野泰幸選手に励まされた宮城県の中学サッカー部員吉村陸君が、日本のW杯出場決定を喜ぶという内容(6月5日朝日新聞)。吉村君は東日本大震災の津波でサッカー少年団(当時)の仲間とその弟を失い、悲しんでいるときに今野選手が練習場に来てくれた。今野選手とボールを取り合い、間近にプレーを見たことで前向きな気持ちになり、チームは県大会ベスト8まで勝ち進んだ。
 32人の児童は次々と手を挙げて、短冊に書いた見出しを発表した。「今野選手がいたからがんばれた」「前向きな吉村君」「亡くなった2人のために みんな力を合わせて」などがあった。
 漆畑教諭は、子供たちの短冊を今野選手と吉村君を中心にしたものの二つに分けてホワイトボードに張り出し、「同じ記事を読んだのに、見出しの中心が違うのはなぜだろう」と問いかけた。2班に分けてその理由を討論させ、読むときの視点の違いが異なる見出しにつながることを理解させた。
 そのうえで再度考えさせたところ、「あこがれの今野選手がいたから 亡くなった人の分までがんばれた」と、二つの要素を合わせた見出し案も出た。
 「先生、答えを教えて」という児童たちにせがまれて、漆畑教諭は実際に新聞についていた主見出し「今野選手の雄姿に勇気」と脇見出し「被災地から中学生がエール」を伝えた。「記者さんはこう考えました。皆さんはこう考えました。読む人によって違っていいと思います」
 授業を組み立てるうえで、漆畑教諭は「一番大変だったのは記事選び」と振り返る。タイムリーな「富士山の世界遺産登録」を探したが、子供に適した記事は見当たらなかったという。
 NIE初心者の先生には「子供たちは新聞を読むのが大好きになってきた。難しく考えずに、まずは新聞を使ってみたらいい」と助言している。(武藤理司)

*発祥の地・静岡*易しく優しい学び発信

 静岡市は日本のNIE発祥の地とされる。1985年に同市で開かれた新聞大会(日本新聞協会主催)で、NIEが初めて提唱されたからだ。今年の全国大会は原点回帰を目指し、スローガンに掲げた「やさしいNIE」には「易しい(わかりやすい)」と「優しい(思いやりがあって親切)」の意味を込めている。
 初日のパネル討論「NIEのすそ野を広げるために」では、授業を受ける側の小中高校生3人がパネリストとして教師や保護者とともに登壇した。新聞が大好きだという小学6年生男子は「子どもの視点から新聞の良さを伝えていく」、中学3年生女子は「NIEの授業をもっとやってほしい。教科書と違って今の動きが分かる」、高校新聞部長の2年生女子は「授業や朝の会で使うことが大事」と意見を発表した。
 大会での論議を踏まえ、静岡からの提言は「『NIEは魅力的でやさしい』と伝えよう」「『やさしいNIE』を意識した環境づくりを進めよう」「新聞とデジタルとの共存を図ろう」―の3項目にまとめられた。
 発祥の地から無理なく楽しく取り組める「やさしいNIE」を発信していく。

ページ上部へ