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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

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道新・釧教大共同研究*中学校社会科・中間報告会(2の2)*生かせ新聞の有用性*パネル討論*佐野氏 読み方教える必要/本橋氏 知識の更新が大事/舩木氏 教科の連携足りぬ/樋口氏 授業目標と板挟み

●司会=写真左端   ●パネリスト=写真、右から順に
 藤本将人(道教育大釧路校准教授)  佐野比呂己(道教育大釧路校教授)
 本橋幸康(埼玉大准教授)
 舩木理依(北海道新聞NIE推進センター委員)
 樋口達也(標茶町立阿歴内中教諭)

 

パネル討論

 藤本 なぜ教育に新聞を使うのか。論点は五つ。《1》社会の求める人材像《2》その内容《3》目標《4》教育方法《5》評価。課題を乗り越えるためのアイデアを。

 佐野 いい授業のためには新聞を使った方が効果的だと、発表で分かった。舩木さんの資料で、新聞を活用した授業は生徒の92%が良かったというデータの一方、継続的には読まないという問題が出ていた。卒業後も社会を知るために新聞を読むことが大切だ。社会科という教科の枠組みを外し、新聞全体の読み方を生徒に教える必要がある。新聞には暮らし欄も科学欄もある。社会科の先生が国語や理科の領域にどんどん入り込むべきだ。

 本橋 中学の先生は「学習と実生活を結びつける」ことを報告した。加えて、新聞でより具体的な日常的、社会的情報を得ることにより知識を更新していくことが大事になる。社会科では、公民は地理や歴史より一歩踏み込んで思考や判断が求められる。事実を踏まえ、情報を整理して、自分なりの考えを築くプロセスが大事だ。

 舩木 社会の求める人材像は学習指導要領にあるように思考、判断、表現ができることだろう。情報をうのみにしない人たちを育てるのが大きな命題だ。中学国語で「意見文を書こう」という、根拠を持ってきなさい、説得しなさい、表現しなさいという課題がある。この力を前提に、社会の授業を積み重ねることができる。
  しかし、教科間の連携がなく、既習事項が生かされていない。その連携がNIEを通すとやりやすい。

 樋口 実践を発表した7人の教師に共通するのは、社会と子どもたちを結びつけるところだ。新聞を通して実社会を知らせるのは効果的だ。社会科教師としては教科や授業の目標に少しでも近づきたい。だから授業で新聞の読解に時間を割いていいのか、ジレンマがある。社会科の授業には理科の要素など各教科が絡み、横断的な連携も必要だ。特に新聞記事は国語科と連携する必要性がある。

 藤本 4人を一貫するのは領域を超えた知のあり方を問うことだ。会場からご意見を。

 会場の男性 グループ討議の授業を増やせれば、新聞を使って自由に話し合って互いの見識を深め、意思を尊重し合い、社会認識を深められる。日本の民主主義の発展につながるのではないか。

 舩木 新聞を軸に話し合うという提案だが、自分の生活や嗜好(しこう)に適した考え方はどんなものがあるか、新聞の中から発見できる。まずは模倣から新聞を読むモチベーションが生まれてくる。それができれば、先生が意図を持って新聞を使ったときに、その通りに読むこともできるし、自分はこういう風に読むんだという展開も可能だ。

 樋口 授業時数の制約はあるが、記事を使って討論活動をしていけば、デモクラシーを高め、社会科の目標にもつながっていく。

 藤本 「公民」は国民と市民。新聞は国民を育てるのか、市民を育てるのか。自分の住む地域があって日本、世界がある。自分を中心に同心円的に広がることによって、子どもたちもより世界を深く認識できる。新聞には、それが全部入っている。教科書は計画的、意図的なので、それができないから新聞教育の意味が出てくる。これからも実践を積み重ねて、還元していきたい。

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