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札幌丘珠高*独自に時事問題研究*情報読み解く力育成 N検挑戦

 札幌丘珠高校は選択科目に学校独自の「時事問題研究」を設け、新聞記事を教材に授業を行う。2009年度から始まり、卒業生を含め約400人が学んだ計算だ。担当の毛利禎晴教諭はニュース時事能力検定(通称N検)の受検を推奨し、「情報を読み解くメディアリテラシーの能力を身につけてもらいたい」と話す。(森田一志)

琉球新報の号外を黒板に張り、時事問題研究の授業をする毛利教諭(右)

琉球新報の号外を黒板に張り、時事問題研究の授業をする毛利教諭(右)

 6日の時事問題研究の授業。2年生24人に時事用語を子ども向けに解説した記事コピーが配られた。最近、掲載が多かった用語を取り上げる「時事わーど」(読売新聞)だ。
「学制『6・3・3制』の見直し検討」「国際緊急援助隊 海外の大災害で救援活動」
 11月27日の記事を毛利さんが読み上げていく。時折「ここにラインを引いて」と指摘し、生徒が重要とされた部分をチェックした。
 「時事問題研究」は1年の必修科目、世界史Aの現代史部分を2~3年生に進級してから学び直す。2単位で現在の受講生徒は約170人。
 N検はレベル別に1~5級に分かれ、試験は主に択一式で年4回。12年度の丘珠高の受検者は道内の学校で最多の132人だった。合格者は3級が36人、4級21人、準2級は2人。
 N検専用のテキストもあるが、「重要なのは生きた新聞教材」と毛利さん。こだわるのは琉球新報を使った授業だ。沖縄に関心を持ち個人的に購読を続けてきた。この日は今年の号外紙面を黒板に張り出した。独特のニュースの切り口から戦後、長く米軍の統治下にあった地域の歴史と視点を知ろうという試みだ。
 「主権回復式典に抗議」(4月28日)で、日本が主権を回復した1952年、沖縄は米国の施政下に入ったことを説明した。また「東京五輪決定」(9月8日)には「最初の五輪があった1964年、沖縄はまだ本土に復帰していなかった。復帰後初めての五輪になる」と補足。普天間基地移設問題をめぐる一連の動きやヘリ墜落など米軍がらみのニュースが多く「今年1年、沖縄は大変だった」と振り返った。
 毛利さんは04~08年にNIEのアドバイザーを務め、今は同校新聞局の顧問としても活動する。時事問題研究を履修した卒業生は200人以上。その数は年々増えているという。「N検の知名度が、英検や漢字検定並みに上がったことも影響している。継続的にニュースと親しむことで、普段は関心のない記事にも目がいくようになる」
 3年の古屋幸児君は今年8月、N検2級に合格。時事問題の授業を受けるのみならず毎日午前6時半に起床し、朝食を取りながら朝刊を読むのが日課になった。「消費増税などのニュースが身近な問題として頭に入るようになった。政治では維新の会などの動きに興味がある」と語る。

*若年層の受検増

 N検の受検者は全国的に増加傾向にあり、2012年度の約3万1千人のうち、小中高生が67%を占めた。検定が始まった07年度当時の45%から大幅に増えた。道内の受検者は553人。丘珠高校の132人は団体受検の中高校23校の中では最も多かった。
 若年層が増えたことについて日本ニュース時事能力検定協会事務局(東京都千代田区)は「大学受験などでの活用が増えたことも大きい」とし、本年度は全体の受検者が初めて4万人に届くとみている。
 道内に限っても約20の大学や短大の推薦、AO入試で活用されている。北海学園大学人文学部は「推薦入試の書類審査で加点している」、旭川大学は「一部で公募制推薦の加点対象になる」という。
 問い合わせは事務局のフリーダイヤル0120・916936へ。

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