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流氷理解に2紙活用*愛知・一宮市の尾西第一中*「中日」と「道新」記事を比較*生活との関連 読み解く生徒

 「どうして北海道新聞には流氷の記事が多いんや?」。愛知県の中学校で、地元の中日新聞と北海道新聞を対比した1年生の国語授業が行われた。教材は「流氷と私たちの暮らし」(光村図書)。北海道新聞の多彩な記事や見出しと中日新聞の淡々と事実を伝える記事の比較から、生徒たちは北海道の人たちが流氷を身近に感じていることを読み取り、流氷の減少が異常気象や環境破壊につながることへの理解に役立てた。(武藤理司)

中日新聞(右側)と北海道新聞の流氷に関する記事を対比させながら授業を進める伊藤彰敏教頭

中日新聞(右側)と北海道新聞の流氷に関する記事を対比させながら授業を進める伊藤彰敏教頭

 1月30日、一宮市立尾西第一中1年6組。「流氷と私たちの暮らし」全5時間の最初の授業が始まった。伊藤彰敏教頭が流氷に関する二つの新聞の記事を黒板に張り出した。
 中日新聞の2本に対し、北海道新聞は10本が並ぶ。「去年の1月に中日新聞が報道した流氷の記事は2本、同じ期間に北海道新聞はほんの一部で9本もある。どうしてこんなに違うんや」
 生徒たちは見出しや写真を見比べながら「北海道の方が暮らしに関係がある」「寒さの情報として伝えている」「観光などに有効活用したいと思っている」と、次々に意見を発表した。
 「流氷と私たちの暮らし」は「流氷博士」の故青田昌秋・北大名誉教授(元道立オホーツク流氷科学センター所長)が書き下ろした。流氷の減少は異常気象や生態系の乱れにつながり、自然からの警告だと指摘。身近な自然を観察し、大切にすることが豊かな地球を守る第一歩と訴えた。

*異なる表現

 中日新聞と北海道新聞の報道を対比したのは「流氷を知らない子供たちに興味を持たせ、内容の理解につなげたい」との狙いだ。1年国語担当の教師3人が全員、2紙の記事を使用した。全10教室には北海道新聞夕刊の大図解「オホーツク海と流氷」(2008年1月26日)を掲示した。
 伊藤教頭の授業では、二つの地方紙の見出しを抜き出したコピーを配った。中日新聞は「網走で『流氷初日』」と観光砕氷船の航跡を示す「北の海に群青カーブ」。北海道新聞は「流氷初日 美の一筋 網走港の沖合 観光客も満足」「砕氷船運航開始、各地でイベント」「冬の観光 さあ本番」など。流氷が観光資源になっていることや盛んな関連行事も知らせている。
 「見出しの表現から何が言えるのかな」と伊藤教頭が尋ねた。佐藤愛夏さんは「北海道新聞は『美の一筋』『観光客も満足』『さあ本番』とか、喜ばしい感じでとらえている。中日新聞は単に情報を伝えている」と答えた。
 伊藤教頭は網走から送ってもらった流氷のポスターや流氷の実物も活用した。最後の授業では、12年に亡くなった青田さんの追悼文集「海は母、流氷は友」を教室に持ち込み、多くの関係者から慕われた人柄を紹介した。

*社会と結ぶ

  国語力向上の手段の一つとして、伊藤教頭が新聞を取り入れて16年になる。「北海道新聞の流氷の報道はきめ細かい。生徒は新聞で流氷に関心を持ち、身近な自然の変化など自分たちの暮らしとのつながりを理解できた。教科書だけだと現実から遊離する。新聞は学校と社会を結ぶ大切な役割を果たす」と話している。

 一宮市は学校での新聞活用に力を入れている。42小学校の5、6年生と19中学校の全学級に新聞各紙を配布。全61小中学校に中日新聞の記事データベースを導入し、授業などへの活用を促している。また、教師らによる新聞活用研究委員会を組織し、全小中学校で新聞の活用を推進している。伊藤教頭は同委員会の副委員長を務めている。

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