NIEニュース
北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

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道内実践指定校調査(2の2)*結果分析…識者に聞く

*道NIE推進協会長 高辻清敏さん*教材開発に生かして

道NIE推進協会長 高辻清敏さん

道NIE推進協会長
高辻清敏さん

 実践校の指定を1、2年でやめた教師が16人もいたこと、指定期間を終えた教師も38人のうち6割近い22人が、その後NIE活動をしていないと回答したことなど、今回の調査結果には驚きました。
 教師の指導力向上には教材開発が欠かせません。新聞はそれが手っ取り早くできる道具です。教科書は過去の事象を扱い知識の基礎になりますが、これに「今」を扱う新聞を活用することで応用効果が期待でき、子どもたちは、自らが諸問題を解決していく力を身に付けていくのです。それは学習指導要領が求めている力でもあります。
 実践校には2~3年間、地方紙、ブロック紙、全国紙の新聞6~8紙が2カ月または4カ月間、無料で提供されます。せっかくのチャンスなのだから自覚や決意を持って実践に臨み、活動を継続してほしかったというのが率直な感想です。
 NIE活動を難しく考えることはありません。まず実践校になったら教師がじっくり新聞を読み、「これは!」と思う記事を切り抜いて教室や廊下に掲示するなど、子どもたちが新聞に親しめるような環境づくりをすることが大切です。朝読書の時間を利用して記事を読ませたり、簡単な感想を書かせるといったことも一つの手段です。
 また同じ学年、同じ教科の教師と複数で活動することも肝要です。ぜひ仲間づくりをして取り組んでください。みんなで実践すればより練り上げた教材を蓄積でき、何より孤独感も解消されます。
 こうして培った経験は必ず教師としてのスキルアップとなり、その結果として子どもたちの学びの意欲を育てることにつながっていくのです。

*横浜国大教授(神奈川県NIE推進協会長) 高木まさきさん*記者、研究者と交流を

横浜国大教授(神奈川県NIE推進協会長) 高木まさきさん

横浜国大教授(神奈川県NIE推進協会長)
高木まさきさん

 実践が校内に広がらない、若い教師が新聞を読まないという点は、全国的な課題です。その上でNIEを進めるには、調査結果に表れた「児童生徒が社会に関心を持つようになった」という成果を、もっと発信するべきでしょう。
 「NIEに取り組んでも、子どもの学力が向上しない」という声をよく聞きます。「テストの点数=学力」と考えるのなら、全国学力・学習状況調査の過去問題などで練習すればいい。「社会に関心を持つようになった」のは、子どもが成長した証(あかし)。前向きに評価できるはずです。
 教師が、記者や教育研究者と関わる機会もあるといいですね。神奈川県推進協議会は月1度の勉強会のほか、有志で年1回「合宿」も行っています。コーディネーターは元新聞記者で、国際問題や政治へと話が広がる。参加者は新聞の面白さをさらに深く知り、授業のヒントも生まれています。
 教育行政も、NIEを認める動きが確実に進んでいます。新潟市は昨年度、市内の16小中学校に新聞を無料提供する独自事業を始めました。横浜市は2007年度から教員志望者を対象に「教師塾」を行い、昨年度はNIEをテーマに私も講義しました。
 現在、私のもとで学ぶ大学院生の一人は活字とデジタル情報の違いを調査しています。多くの場合は、デジタルで多くの情報をさらっと読み、活字はじっくり読む傾向があるようです。学校では両方を使い分け、生かす指導が必要になるでしょう。
 社会の変化は大きく、教師自身が学び続ける必要性もますます高まる。新聞活用は子どもだけではなく、教師のためにも不可欠だと思います。

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