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進路学習 切り抜きから*函館稜北高*スクラップし資料化、発表も*深く考え意欲育む

 函館稜北高(赤間幸人校長、439人)は、自主的に進路を学ぶ「学問調べ」に力を注いでいる。土台となるのは1年生が学問ごとに関連記事を選ぶ「切り抜き集会」。記事はスクラップブックにして、ネット検索や書籍による調べ学習の基礎資料とする。同校は「自分に役立つ学問を理解し、目標に向かう意欲も育つ」と話している。(葛西信雄)

「切り抜き集会」で、新聞の中からお目当ての記事を探す1年生=函館稜北高校提供

「切り抜き集会」で、新聞の中からお目当ての記事を探す1年生=函館稜北高校提供

 学問調べは、NIE実践校の指定を受けた2009年度に始めた。進路を深く考え、しっかりした目的意識を持たせるのが狙い。総合学習のうち10時間を充てる。
 切り抜き集会では、工学や看護保健学、社会学、教育学、経済学、薬学、農水産学など16分野の記事を探す。毎年11月、1年生の4クラス約160人が体育館に集合。2~3人ずつの班に分かれ、実践校に提供される約3カ月分の北海道新聞と全国紙計6紙にハサミを入れる。切り抜いた記事はスクラップブックにして、全員で共有する。
 12年度に工学を担当した班は、岩手県陸前高田市で、地元の建築家らが被災者の集会所「みんなの家」を設計、国際建築展で最優秀賞を受けたという記事(12年8月30日北海道新聞)を選んだ。「多くの命や建物が失われた被災地で建築に何ができるか」との問いかけも感じ取ったという。
 スクラップブックを基に、各班は5時間かけて記事中の専門用語や固有名詞などを「キーワード」にインターネットで検索する。図書館の書籍や資料、専門誌にも当たり、学問の内容を深めていく。
 例えば、建築デザインを目指す生徒は、建築学科以外にも、環境社会工学や環境デザイン学科でも学べることや、進学に向けて数学と物理の勉強が特に大切だと理解した。
 同校は看護師を目指す生徒が多く、今春は34人が高等看護学校などに進学した。「看護保健学」を調べていく中で、「認知心理学を学んでみたい」と、具体的な目標を設定する生徒もいた。
 指導の中心を担う藤島尚子教諭は「単純な言葉でネット検索すると、表面的な情報しか得られず、進路の選択肢を狭める可能性が高い。新聞記事からキーワードを探して調べれば、正確な情報が入手できる」と指摘する。
 学問調べの仕上げは学級発表で選ばれたチームによる学年発表会だ。各班が独自に「教員養成」「外国語学」「大学の選び方」といったテーマを決め、約10分間、スライドにまとめて報告する。
 この経験を踏まえ、2年で文章の論理構成の仕方を学び、3年で小論文を執筆し発表する。ここでも基礎となるのはスクラップブックだ。藤島教諭は「新聞は時間をかけて深く考える教材として役に立つ。ネット情報だけでは得られない考え方も育ち、視野も広がる」と効果を話している。

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