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学校司書 読み方助言*市内初配置の札幌中央中

 1年生でも新聞の1面トップ記事を十分読んでもらいたい―。NIE実践校2年目の札幌市立中央中(中央区)は、そんな目標を掲げる。授業を支えるのは昨年度、札幌市内の小中学校で初めて配置された学校司書。今年4月からは天谷まゆみさんが務め、担当教諭の助手として目配りする。「生徒たちが難しいニュースを理解したことに驚いています」と話す。(森田一志)

*生徒理解へ専門性発揮

新聞を使い授業を行う札幌市立中央中の古畑教諭(右側の立っている人)と、サポートする学校司書の天谷さん(左側)

 8、9の両日、3組の国語の授業「紙面構成の特徴を知ろう」が図書館で行われた。3教室分の広さがあり、辞書や書籍など約1万冊が書棚に並ぶ。31人は8グループに分かれて着席。それぞれ1日の朝刊6紙の中から1紙が配られ、1面トップ記事がどんなニュースかを考えて発表した。
 各紙の見出しの一部は「ボンベ爆発 51歳女逮捕」(北海道)、「ウルムチで爆発 多数死傷」(朝日)、「取り調べ全過程可視化」(読売)…。天谷さんは生徒の辞書、辞典検索などを担当し、古畑理絵教諭と手分けしてグループを回った。
 記事中の人名に戸惑う生徒には、辞書の使い方を手ほどきした。「この記事、どこで終わるんですか」と聞かれると、指さして教えた。ハードルが高いかとも思ったが、発表は見事だった。
 中国ウルムチの爆発事件には「なぜ爆発があったんですか」という質問が出た。発表グループは「(中国の少数民族)ウイグル族は政府に対する不満があるのでは」と背景を説明し、「以前は天安門でも爆発がありました」と補足した。
 取り調べの過程を録画・録音し、透明にする「可視化」の記事の発表では、なぜ必要かという声に対し「裁判の時にいるのでは」と回答していた。
 天谷さんは「グループのリーダーが中心になり、次第にどんどん話が進んでいった。授業で役に立つように新聞の整理、展示を続けたい」という。
 古畑さんにも収穫はあった。授業の最後で、なぜ北海道新聞がボンベ爆発事件をトップにしたのか質問した。ある女生徒は「道新は北海道のことを大事にし、(爆発事件のあった)札幌を拠点にしている」と答えた。古畑さんは心の中で「満点」と手応えを感じ、「全国紙か地域紙か、経済などの専門紙か一般紙かで話題の絞り方が違うからですね」と総括した。
 古畑さんはこの3年間、1~3年生に1面記事を比較して5W1Hをまとめさせ、定期テストではコラムの穴埋め問題も出題した。新聞活用の追い風になったのは昨年度からの学校司書配置。前任者には新聞の展示、整理ばかりでなく、授業の助手、テストの出題にも知恵を出してもらった。「専門性を持つ司書の方に授業を手伝ってもらえるのは大変ありがたい。生徒も真剣に話を聞いています」と期待している。

*重い経費 教諭の兼任も

 NIEの強い味方になりそうな学校司書。しかし、札幌市では市立小中学校計約300校のうち、昨年度、やっと中央中に第1号が配置されたにとどまっている。
 国は学校司書を配置する経費の一部を交付税で財政措置している。札幌市教委は全小中学校に司書教諭を配置した場合、「年間億単位の費用がかかる」と持ち出しを懸念する。
 道によると、学校司書の配置は2012年度、道内の小学校は6・2%(全国47・9%)、中学校は6・1%(同47・6%)と全国水準を大幅に下回る。道内では兼任の司書教諭や地域ボランティアでカバーすることが多い。「学校司書が適正に配置されれば、もっと図書館を有効利用してもらえるのに」(札幌市内の司書教諭)という声も出ている。

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