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旭教大生対象にNIE講座*複数紙で指導案*情報精査の方法学ぶ

 教員養成大学の学生を対象とするNIE講座が、道教育大旭川校で始まった。2年目の今年は、北海道新聞など複数紙を活用する学習指導案作成を指導する。「情報リテラシー(評価・識別する能力)を学ぶのに、新聞が優れた教材になることがよく分かった」と話す学生もいた。(葛西信雄)

NIE講座で、学生の新聞スクラップ作りを指導する福沢さん

NIE講座で、学生の新聞スクラップ作りを指導する福沢さん

 講師は前年度に続き、日本新聞協会の元NIEアドバイザー菊池安吉さん(56)=士別市立士別中校長=と、現アドバイザー福沢秀さん(49)=旭川市立春光台中教頭=。ともに社会科教師で旭教大OB。NIEの実践教員がなかなか増えず、新聞を読まない若い世代が教壇に立ち始めている現状に危機感を抱いた。「教員の卵」が学ぶ母校で、坂井誠亮(せいすけ)准教授(49)と協力して講座を始めた。
 対象は社会科教育学ゼミの学生。昨年は6月に1紙から気に入った記事をA3用紙に貼り付けたり概要と感想を書き込んだりする新聞スクラップ作り、10月には当日発行の新聞で即座に学習指導案を作る手法を教えた。
 講座は2年目も2回の予定。初回の6月20日は、1年生7人を含む30人が受講した。まず北海道新聞、毎日新聞、読売新聞の3紙を読み比べた後、授業に使えそうな複数の記事を抽出して新聞スクラップを作った。さらに「導入」「展開」「整理」で構成される学習指導案を、自らのスクラップを活用して作成した。
 福沢さんは「同じニュースでも新聞社によって扱いや論調に違いがある。複数の情報を読みこなして精査する方法を学び、子どもたちを引きつける授業づくりに結び付けるのが今回の狙いです」と話す。
 4年生の畠山展大さん(21)=札幌市出身=は、学生割引で新聞を購読し、気になる記事を切り抜いて保存している。この日は特定秘密保護法の運用をチェックする「情報監視審査会」を新設する国会法改正案が参院で審議入り―の記事を、2紙から選んだ。中学公民分野の「国会の仕組みと役割」で活用することが目的だ。
 指導案では、審査会の機能や問題点、立場の異なる与・野党の意見などを列記した。その上で、1紙の見出しが「秘密監視機関 参院でも審議」だった半面、もう1紙は「国会監視名ばかり」と、より踏み込んだ表現になっていることにも触れた。畠山さんは「議員立法や議院運営委員会、本会議など国会の制度・ルールを教えることを指導案の最終目標にした。複数紙を使うことで内容に深みが出たと思う」と笑顔で振り返った。
 また、東京都議会で起きた「女性都議にセクハラやじ」(北海道新聞)と、男女平等の概念が浸透しているスウェーデンでも「女性進出に官民格差」(毎日新聞)という企画記事を組み合わせ、女性が置かれている現状と改善すべき点を指導案にまとめた学生もいた。
 菊池さんは「知的好奇心の持ちようによって、ニュースが生き生きとした授業に変わります。われわれは皆さんが教育現場に来る日を手ぐすね引いて待ち構えています」と締めくくり、学生たちを沸かせた。

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