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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

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NIE全国大会(2の1)*取り組みを共有*読みたくなる見出し考えた

 第19回NIE全国大会(日本新聞協会主催)が7月31日、8月1日の2日間、徳島市で開かれた。スローガンは「よき紙民になる~子どもに意欲を持たせるNIE活動」で、新聞から社会のいまを知り、考え、意見を持つ市民に育ってほしいとの願いを込めた。参加したのは教員や新聞関係者ら約960人。プログラムの中から公開授業とシンポジウムの内容を紹介する。

「記事を読まずにはいられなくなるような見出しをつけてね」と助言する脇本教諭(左)

「記事を読まずにはいられなくなるような見出しをつけてね」と助言する脇本教諭(左)

 「速報性があって読みやすく、興味をそそる。この条件を満たす記事選びが、一番難しかった」。国語の公開授業「新聞の見出しを考えよう」を行った吉野川市立知恵島小4年1組担任の脇本正久教諭は振り返る。
 使ったのは7月末の高校野球選手権石川県大会決勝戦で、星陵高が劇的な勝利をつかんだ記事だった。主見出し・脇見出しを空欄にして漢字にルビを振り、コピーして全員に配布した。
 同時に、分からない言葉と意味、「いつ・どこで・だれが・どうした」を書き出させた。24人の児童は慣れた様子で辞書を引きながら記事を読み進める。六つの班ごとに“代表作”を選ぶ討議が始まると、「『粘り』を主見出しに使いたい」「『反撃』の方がいいよ」などと熱心に語り合う。
 整然と進む授業の基盤には、全校でNIEを進めるために作った年間指導計画がある。学年別に教科や単元を決め、どんな記事を使うか、何をテーマに新聞を作るかを示した。「教師の異動があっても継続でき、NIEが定着する」と脇本教諭は言う。さらに、年2回ほどの校内研修でも、公開授業や指導案を練るワークショップを行う。県のアドバイザーらも参加、助言している。
 また、4年生には言葉への関心を高めるため、音読とこまめに辞書を引く活動も取り入れている。「読むスピードが上がり、語彙(ごい)も増えた」と脇本教諭が言う通り、公開授業で児童がつけた見出しには、記事にはない「奇跡」などの言葉もあった。
 この日は、徳島新聞のNIEコーディネーターが最優秀賞を決定。野球部員の合言葉を取り入れた「やったね星陵逆転勝ち 必笑(ひっしょう)がもたらした勇気」が選ばれた。作製した班のメンバー山野井統(つかさ)君は、「『どんな言葉を使ったら記事を読んでもらえるかな』と考えて作った。記者がどうやって仕事をしているのか、少し分かりました」と充実した表情だった。(舩木理依)

■ニュースを身近に

 「最近、心に残った事件、事故は何?」。新聞が配られた城西高神山分校(徳島県神山町)の3年生18人に、笠井智恵教諭が聞いた。いくつか挙がる中で、関心が高かったのは長崎県佐世保市の高校1年生が同級生を殺害した事件だった。
 生徒らが「怖い」「なぜこんなことに」と話すと、笠井教諭はネット上に加害生徒の実名やプロフィルが流れていることにも触れて「やじ馬になって見ることにとどまらず、自分の身近に起きたらどう思うか、考えてみてほしい」と呼びかけた。
 また、加害生徒の精神鑑定が行われることから刑事責任能力の意味を考えたほか、東京電力福島第1原発事故で検察審査会が元会長ら3人を起訴相当とした記事も取り上げ、この日は主に司法制度について学んだ。
 授業後、笠井教諭は「進学と就職が半々の学校で、来年には社会に出る生徒に新聞を通じて社会で今、起きていることを知ってもらいたい」とその狙いを話した。(上ケ島精一)

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