NIEニュース
北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

NIEのページ

Page of the NIE

実践指定校の活動紹介(2の2)*「読ませる」授業工夫*定時制で唯一指定 札幌月寒高*紙面作り、審査 手探り

手書き新聞を審査する月寒高定時制の2年生たち。右端は青島正樹教諭

手書き新聞を審査する月寒高定時制の2年生たち。右端は青島正樹教諭

 16日午後7時40分、札幌月寒高定時制2年「ビジネス基礎」の授業が始まった。1人欠席で26人。「みんなが作った新聞を審査してもらう」。青島正樹教諭(50)の声が響いた。
 コンピューター教室に並んだのは、全校生徒129人の半分弱が提出した手書き新聞55点。新聞を読むだけでは飽きが見られるため考えた課題で、1~2週間で興味のあるニュースなどをA3判1枚にまとめた。
 記事を写すだけでなく、「稲葉忘れない」と題してプロ野球北海道日本ハムの稲葉篤紀選手引退の記事を特集し「見習いたい」と感想を書いた労作も。テーマはノーベル物理学賞や御嶽山噴火、北海道新幹線などさまざま。
 審査は、見た目や読みやすさなどを10点満点で採点。生徒らは「時間が足りない」と焦るが、青島教諭は「直感で選べ」。3人の班ごとに最も良い新聞を選び「読みやすかった」「カラフルで良かった」と発表し、意外なほど人気作は分かれた。
 最後に青島教諭はこの日、初冠雪した富士山の記事を示した。次回までに再編集し、見出しや題字をつけて「はがき新聞」を作る課題を出した。
 定時制高校は働きながら学ぶ場だが、都市部ではいじめなどで不登校になった生徒の学び直す場になるなど、役割を変えている。同校でもアルバイトをする生徒は3割ほどという。
 ほとんどの生徒は新聞に縁がなかった。青島教諭は「とにかく読ませる」ことに力を入れた。実践校として新聞6紙が月替わりで1紙届く。すべてコンピューター教室に置き、休み時間などに読むよう勧めた。
 授業では、1~4年の商業科目各週2時間の半分近くをさいて読ませた。例えば、その日の新聞で「前日の円相場はいくらか」が紙面のどこに載っているかから調べさせ、円安と輸出入の関係を考えさせた。
 生徒たちは徐々に読むようになり、見出しや前文など新聞の構成を意識し始めた。青島教諭は「生徒たちは新聞に抵抗感さえあったが、今は読み方が分かってきた。地下鉄の車内のように折り畳み、いっぱしの姿で読む生徒も現れた」と手応えも感じている。2年の田原暉鵬(てるとも)君も「新聞はまったく読まなかった。今は見出しを見れば自分の好きな内容の記事か分かり、読むようになった」と話す。
 ただ、青島教諭は「進学校とは学力や家庭環境なども異なり、どう進めるかはまだ試行錯誤」と言う。年度末までに自分自身のニュースで「はがき新聞」を作らせる考えだ。部活のバレーボール部の熱血指導で知られる教諭の挑戦は続く。(上ケ島精一)

ページ上部へ