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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

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実践指定校の活動紹介(2の1)*事実関係つかむ学習*全校児童9人 根室・昆布盛小*自分の言葉で感想発表

 本年度のNIE実践指定校の活動が本格化している。道内は、日本新聞協会と北海道NIE推進協議会合わせて40校が認定され、12年続けて全国の都道府県で最も多い。全校児童9人の小規模校、根室市立昆布盛小は記事の事実関係を読み取り、感想や意見とともに発表する宿題を課す。定時制高校で唯一指定された札幌月寒は、生徒が新聞と親しむことに重点を置く。2校の取り組みをまとめた。

朝の会で、高円宮典子さまの結婚式の記事について発表する五十嵐叶さん(左)。右は太田等教頭

朝の会で、高円宮典子さまの結婚式の記事について発表する五十嵐叶さん(左)。右は太田等教頭

 「御嶽山(おんたけさん)の捜索活動はかわいそすぎる」「小保方(晴子)さんは日本人でこんなことができるんだと思ったけど、残念」。8日の放課後、昆布盛小の高学年の教室。5、6年生の3人が毎日、北海道、釧路の3紙から「みんなで選んだ新聞記事」を探していた。
 5年生は庄林潤人(ますと)君、6年生は庄林翔君、五十嵐叶(かなう)さん。「典子さま・千家さん結婚」(6日毎日新聞)を選んだ。
 潤人君は帰宅すると、記事を見ながら紙に要点を書き出した。5W1H(いつ、どこで、誰が、何をした、なぜ、どのように)を読み取り、感想を書く。母親の智恵美さん(31)が時折、助け舟を出す。
 この宿題は、5月から始まった。「最初は家族みんなで助言していたが、今は潤人一人でやっている。私たちよりニュースに詳しくなった」と、智恵美さんは感心する。
 翌9日、高学年学級の朝の会。潤人君から発表が始まった。「この記事は5日、出雲大社(島根県出雲市)で典子さまと千家国麿さんが結婚式をしました。典子さまは皇室を離れ、千家典子さんとして出雲市で新婚生活をスタートするという内容です」。「僕は、結婚したことがとてもうれしい」と感想を述べた。
 3人が発表を終えると、話し合いに入った。担任の太田等教頭は潤人君に「なぜうれしいのか、中身を具体的に書こう」と促した。潤人君は「女性皇族の結婚は9年ぶりだから」と答えた。
 記事の写真には、束ねた髪を長く垂れ下げた古式ゆかしい典子さんが写っている。「典子さんの髪がすごい」と書いた五十嵐さんは、太田教頭に「どうすごいの」と問われた。「お相撲さんの髪みたいでぴちっとしている」と補足した。
 太田教頭は「感想や意見をいかに自分の言葉で言えるかが大事」と指摘した。
 昆布盛小は来春、落石小と統合する。太田教頭は、専門とする国語の研究仲間の勧めで実践校になった。5月から来年2月にかけ、計7紙の提供を受ける。「5W1H」の宿題は週2回。子どもたちは新聞を通じて考えを磨き、視野を広げてきた。
 例えば、潤人君は「残業代、中小も5割増」(5月10日日経)に対し、「(中小企業の)残業代が増えれば消費の押し上げが期待できる」と書いた。翔君は「イスラム国へ空爆本格化」(9月17日朝日)に「戦争をやめてほしい。人が犠牲になるのはいやだから」。五十嵐さんは、スコットランドの「独立 あす住民投票」(9月17日読売)に「将来を考えて独立を反対します」と冷静に記した。
 発表する記事は各自が選んでいたが、10月8日からは3人で一つを選ぶ。話し合いが活発化するからだ。太田教頭は「5W1Hを読み取る訓練は、事実をつかんだうえで自分の考えを分かりやすく伝える表現力を養うのが目的。3人で発表し、批評し合うことで互いに成長できる。新聞を読み比べて現実の社会を知り、問題意識を持って行動できる人になってほしい」と話す。(武藤理司)

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