NIEニュース
北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

NIEのページ

Page of the NIE

道NIE研究大会で公開授業*高校マスコミ講座 イラク人質事件軸に*多面的な見方学ぶ

 北海道NIE研究会(会長・豊島義明札幌市立陵北中校長)は14日、江別市の立命館慶祥中高(田端明雄校長)で第19回研究大会を開き、日本の高校では珍しいマスコミ講座と中学地理の授業を公開した。

「報道と人権」をテーマに行われた公開授業

「報道と人権」をテーマに行われた公開授業

 マスコミ講座は2008年、選択制で開設。立命館慶祥高の教諭と北海道新聞記者が2人一組で、読解力や発信力の向上を目指してきた。
 公開授業は「報道と人権」がテーマ。マスコミ講座受講生18人ら3年生約40人が出席。04年、立命館慶祥高卒業生も巻き込まれた「イラク人質事件」の報道を軸に、北海道新聞の田村晋一郎NIE推進センター長が「情報を受ける側の人権意識」を取り上げた。
 人質事件では、退避勧告が出ている中でイラクへ渡航した3人の「自己責任」を問う閣僚の指摘や報道が注目された。家族への罵倒や無言電話が相次ぎ、住所や電話番号をネットに勝手に公開するプライバシーの侵害も見られた。
 しかし、一方でパウエル米国務長官(当時)が「勇気ある市民」とたたえたり、欧米のマスコミが人質やその家族をバッシングする日本の人権感覚を批判もしていた。
 人質となった高遠菜穂子さん=千歳市出身=は、以前から路上生活を強いられている孤児を支援し続けており、イラク人の間でも評価する声が高かったことから、イスラム聖職者が解放に力を注いだ面もあった。
 田村センター長はイラク人武装集団、米国、日本政府、人質となった3人らには、それぞれの立場、利害などを背景にした「観点」があることを指摘。それらを踏まえて「一面的、一方的な物の見方ではなく、多面的・多角的に物事を見よう」と語りかけた。
 受講した生徒たちは「報道が常に正しいとは限らない」「いろいろな見方があることを踏まえ、しっかりと情報を考えたい」などの意見を述べていた。
 マスコミ講座は毎年上半期、週3時間、うち2時間を教師と記者のチームティーチングに充てている。

*中学地理・アフリカ 導入に記事活用*経済活況 イメージ一新

 中学地理の公開授業は、山口太一教諭が1年2組で行った。「アフリカ州」(全4時間)の導入に北海道新聞を使い、型にはまった見方ではなく、多様な姿に目を向けさせた。
 10月に生徒から募ったアフリカのニュースでエボラ出血熱が最多と紹介した。「秋ごろから関連の報道が増え、関心が高まったのはなぜか」と考えさせた。既に1年生が入学した4月時点で「エボラ熱流行『最も深刻』」と報道されていたことにも注目させた。
 「月の砂漠を行くラクダ」といった古典的な印象の写真を見せた後に、道内を訪れたマサイ族の青年が環境の変化を語る記事と対比した。村の近くに高速道路建設計画が持ち上がり、原子力発電所建設の計画もあることを伝えると、「えー」と驚きの声が上がった。帯広のリサイクル業者のエチオピア進出計画の記事も使い、アフリカ経済の活況を身近に感じさせた。
 山口教諭は事前に記事を切り抜いて感想を書く「いっしょに読もう!新聞コンクール」などに取り組ませ、新聞に親しみを持たせた。「アフリカは貧困や危険地域など一つのイメージでとらえられがちだが、記事を使って揺さぶりをかけることで生徒たちの印象も変わっていく」と話す。(武藤理司)

ページ上部へ