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親子で学ぶ現代社会*「あぐり大学」人気*実験交え講義/見出しがカギ

 北海道新聞編集局と北大農学部が連携し、本年度から札幌で開く「あぐり大学・親子講座」。参加者の大半をリピーターが占める人気だ。農業から防災、エネルギー、地球温暖化など幅広い分野について、研究者が実験などを交え講義する。テーマが社会的に注目されていることを知らせるため、記事も一役買っている。(舩木理依)

模型を使った土石流の実験。「砂防ダムなどがあれば、被害は少なくできる」と説明する笠井准教授(中央)

模型を使った土石流の実験。「砂防ダムなどがあれば、被害は少なくできる」と説明する笠井准教授(中央)

 11月に行った第7回のテーマは「なぜ起きる土砂災害」。同大農学部講義室には小中学生の親子12組25人が集まった。
 講師は、同大の笠井美青(みお)准教授(流域砂防学)。模型を使った土砂崩れの実験も行い、札幌市内でも災害が起こる可能性があることなどを話した。
 導入として新聞を使い解説したのは、司会の久田徳二北海道新聞編集委員。
 8月に宗谷管内礼文町と広島県で起きた土砂崩れのほか、9月に道内初の「大雨特別警報」が発表されたという三つのニュースを選んだ。1面と社会面をコピーして配ったが、いずれも約2千字と文字量が多い。
 だが、目的は「記事を読むためではなく、扱いや見出しの大きさで話題の重要性を知らせるため」。テーマのキーワードが見出しにあるのも、記事を使った理由だ。久田委員は「土砂災害」「土石流」「土砂崩れ」「避難勧告」などに色を塗り、前文や本文、表の中の同じ言葉に傍線を引いた。繰り返し出てくることから、重要性を強調できる。
 紙面を確認した後、「記事には『土石流』と『土砂崩れ』が出てきますが、土砂災害の種類は他にもありますか」と笠井准教授に尋ねる。「地滑りも土砂災害の一つです」と説明があり、札幌市作製のハザードマップで危険箇所を確認すると、参加者から「怖い」という声が漏れた。
 配られた記事を熱心に読む子どもも。札幌市立三里塚小4年の千葉大知(だいち)くんは、「まず見出しを読むことや、大事な話が1面にあることは、本で知っていた」。父の周孝(かねたか)さんは「知識があれば、小学生も時間をかけずに読めるんですね」と驚く。
 今月13日の第8回「地球は温暖化してる?」で使ったのは、「気候変動特集 相次ぐ異変」(2010年1月1日)。久田委員は、世界の平均気温上昇による影響をまとめた表などに注目させた。
 講師となった農学部長の丸谷知己教授(流域砂防学)は、「同じ記事の『氷結しないウトナイ湖』『キャベツ越冬できず』という見出しや写真を生かすのもいい。学んだ内容の実例として説得力があり、学生への講義にも取り入れる方法です」。
 継続して参加する子どもには、変化も芽生えている。
 札幌市立本通小5年の黒田佳奈さんは、講義の内容を清書し、関連記事を貼るノートを作製している。「テーマと関係のあるニュースに、自然と気づくようになりました」と言う。「あぐり大学」は、子どもと社会を近づける役割も果たしている。
 次回は1月24日で、「食糧危機は来るの?」がテーマ。申し込みは9日まで、問い合わせは事務局(電)011・210・6020へ。

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