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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

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日本NIE学会*震災に学び 自ら発信*道内3教諭*新聞作りの成果発表

 日本NIE学会の第11回大会が昨年12月、東日本大震災の傷痕が残る仙台市で開かれた。「震災に学び、未来を語る」をテーマに全国の教員や研究者ら約200人が参加。道内からは3教諭が発表した。(上ケ島精一)

高校新聞の取り組みを話した山本かおり教諭

高校新聞の取り組みを話した山本かおり教諭

三上久代教諭

三上久代教諭

久光原教諭

久光原教諭

 函館水産高新聞部顧問の山本かおり教諭は特別分科会で、「高校新聞が『復興』に向けてできること」を発表した。同校の「蒼海(そうかい)時報」が震災を報じたのは発生6日後の2011年3月17日号。部員は2人だけだったが、「被害は全国の水産高校にも」との見出しで各地の状況を伝え、「被災者への募金を」と語る生徒会長の記事を掲載した。
 4月には同校特製の缶詰を被災地に送るための缶切り募集、12月には被災地で奉仕活動をした教員や宮城県からの転校生に取材して「支援の継続を」と訴え、12年4月には同校も浸水エリアに含まれた北斗市のハザードマップなど、震災について報じ続けた。
 山本教諭は「生徒は何事も人ごととして自分から動こうとはしない」とするが、震災後は「被災者の役に立ちたい」と積極的に震災報道に取り組み、「高校新聞の使命として、自分のこととして捉えられるようになった。防災意識を高め、命の尊さを再認識した」と成長ぶりを話した。
 ほかの5分科会では自由なテーマで発表した。札幌市立平岡中央中の三上久代教諭は「新聞作りにみる生徒の意識変化」を報告した。同校では一昨年から、宿泊学習の体験をB4判1枚の手書き新聞にする課題に取り組む。「1人1枚は生徒の負担が大きい」との反省から、昨年は班員が記事を共同利用し、国語で書き方を指導。北海道新聞の出前講座で、書き方や見出しの付け方などを学んだ。
 手書き新聞は訪問先の旭山動物園やロケット開発の植松電機(赤平)を取り上げた。廊下に貼り出すと、生徒たちは互いに感想を伝え合った。アンケートでは「新聞を読むようになった」「文章の書き方が変わった」などの変化が表れた。
 恵庭南高定時制の久光原(げん)教諭は「DVD、新聞コラム、英語をリンクさせたNIEの実践」と題し、ユニークな取り組みを披露した。
 同校クロスカントリースキー部が全国大会の距離男子リレーで準優勝した快挙を地方紙のコラムに執筆し、それを英訳して配布。同部の活躍をビデオ撮影して視覚にも訴え、「より授業へ興味・関心を持たせられた」と話した。
 大会のシンポジウムで、学会長の小原友行広島大大学院教授は防災や減災の記事がたびたび報じられていながら「結果として役立てられなかった」と指摘。「記事を地域の人たちに橋渡ししていれば救えた命があったかもしれない。命を守るためのNIEを進めよう」と訴えた。

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