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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

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本年度のNIEセミナー終了(2の2)*教室も地域も活性化*「主体性の育成」先取り

講評 北海道NIE推進協議会会長 高辻清敏

北海道NIE推進協議会会長
高辻清敏氏

 新聞が授業に登場すると、学級の雰囲気が変わり学習が活性化する。新聞をよく読む教師は記事選択眼が鋭い。子供の実態や活用場面を考えて記事を選別し、授業をイメージする。本年度の公開授業は、新しい学習指導要領で求められる自分の考えを主体的に育てる学習のスタイルを先取りした。参加者が自校で追指導できる範例型の授業があり、教師力を高める学びの多い場でもあった。
 網走小2年国語は絵日記新聞づくり。伝えたい人を決め、事実と意見を分けて書き、見出しをつける。1年生の「話す」ことを踏まえて、2年生は「書く」ことに重点を置く。絵日記とモデルの新聞を比較し、違いを発見。ペアやグループでの話し合いで子供たちの目が輝き、発言が止まらない。低学年でも楽しく新聞活用ができる模範だった。

名寄市立風連中央小に出張して、拡大した記事の写真を示しながら授業を進める渥美清孝NIEアドバイザー(釧路市立芦野小教諭)

名寄市立風連中央小に出張して、拡大した記事の写真を示しながら授業を進める渥美清孝NIEアドバイザー(釧路市立芦野小教諭)

 今金小4年総合。今金町(檜山管内)は外国人留学生や研修生との交流が盛ん。国際理解教育は町おこしにつながる。グローバルな時代にふさわしく、米国で放映されるアニメ「ドラえもん」の記事を活用した。日本版と米国版の食事場面のカラー写真を拡大し、はしがフォークに変わるといった食器の違い、登場人物のせりふなどを比較・検討。「なぜ、国により違うのか」と問い、思考の流れが途切れないように板書を工夫した。国語や社会、道徳でも横断的に使える教材の選択が授業の質を高め、テンポ良く進んだ。
 名寄市立風連中央小5年社会は、釧路市立芦野小教諭、渥美清孝NIEアドバイザーの出前授業。教材は、不登校だった娘と父が自転車旅行を重ね、宗谷岬まで完走した記事の写真だった。1枚の写真の背後にある父と娘の心情の変化を読み取った。課題の発見・解決に向けて主体的に学び合うアクティブ・ラーニング。親子の思いをグループで発表し合い、発言の少ない子には仲間が教え合う。発表すると、仲間からの拍手と教師の称賛の言葉。発言者は安心し仲間に認知され、自信と意欲がわく。女子児童が「もっと勉強したかった」と発言したのが印象的だった。
 岩見沢市立明成中2年国語。「みらい君の広場」に載った高校生の投稿「新聞は必要」「ネットで十分」の2本を活用した。年齢が近くテーマも共感できる。熟読して説得力のある文を探し、重要度を分析し討論した。学習のまとめに担当記者が登場した。「文章を書く時、段落をつけ結論を最後にもっていくと良くなる」とアドバイスがあり、子供たちの記憶に残る結びで学習が定着した。
 公開授業は指導者が孤軍奮闘するのではなく、共同研究型だった。釧路や網走では、地域のNIEアドバイザーが経験や知恵を生かして記事選びや授業案作りを支援した。学年や教科間の教師同士で検討したところもある。
 また、安平町(胆振管内)では地域の研究会として住民参加もあり、地元の教育委員会の協力が大きかった。町村でのセミナー開催は、住民の教育意識を高め、町おこしや地域の教師力の育成にも役立っていると教育委員会の評価が高い。

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