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専任教諭 NIE推進*広島・海田西小 担任の模範に*ノウハウ蓄積*町内小中に浸透狙う

 広島市に隣接する広島県海田町の海田西小学校(163人)が2014年度、県教委からNIEに詳しい教諭の定員外配置(加配)を受け、新聞活用に学校を挙げて取り組んだ。加配は単年度で終わるが、町教委は新年度からNIEの教育指導員を同校に独自に配置する。1年間の蓄積を生かし、町内の小中学校にNIEを広げる。(武藤理司)

 「この人は誰でしょう」。17日、海田西小の4年生20人の授業。NIE専任の宮里洋司教諭(48)が、米大リーグから広島カープに復帰した黒田博樹投手の写真を黒板に貼りだした。
 大リーグの3球団が年俸20億円前後を提示したのに、なぜ4億円の広島か。自分ならどうする―。「もらえるお金が一番多い球団を選ぶ」「私はカープ」といった意見が出る。
 黒田投手との一問一答を紹介する記事から、「一球の重み」「充実感」「(またファンの目の前で投げられるのが)楽しみ」など、本人の思いを表す言葉を読み取らせた。それを凝縮した見出しが「高額契約より広島愛」だと説明した。

広島カープに復帰した黒田博樹投手の記事を使い、4年生のNIE授業を進める宮里洋司教諭(左)。右側は担任の岩本浩司教諭

広島カープに復帰した黒田博樹投手の記事を使い、4年生のNIE授業を進める宮里洋司教諭(左)。右側は担任の岩本浩司教諭

 NIEの授業は週1回、特別支援学級を含む1~6年の全8学級で行う。1学期はNIE歴20年の宮里教諭が模範を示し、担任はノウハウを学んだ。2学期からは主に担任が教える。指導案は2人で練る。「難しい記事をかみ砕いて伝えるのが醍醐味(だいごみ)」と宮里教諭。
 翌18日は週に1回、15分間の全校NIEタイム。4年生担任の岩本浩司教諭(36)は、地元の強豪ハンドボールチームがプレーオフ進出を逃したとの記事を配り、選手たちへのメッセージを書かせた。「今まで以上に頑張って」との声援もあれば、「(伝統の)堅守を復活させて」と記事のキーワードを使う子もいる。
 岩本教諭は「タイムリーな記事を使うには準備がいる。宮里先生には、自分では気が付かない視点を助言してもらえる」と話す。
 幼少期を札幌で過ごした坂口直美校長(51)は、日本NIE学会長の小原友行・広島大大学院教授を師と仰ぐ。着任した13年度、県NIE推進協議会の実践校となった。NIEタイムを設け、図書NIE委員会に力を入れた。委員は4年生以上の10人。片山靖子司書の下で、夢を感じる記事の切り抜きコンテストを行う。
 本年度は日本新聞協会の実践校となり、学校ぐるみでNIEを展開した。成果は1月末、全8学級のNIE公開授業で発表した。町内からは自校を含む4小学校、2中学校の教員約100人が集まった。
 全国学力テストで、海田西小の6年生は国語B「書くこと」で全国平均を21ポイント、県平均を16ポイント上回った。「記事をぱっと読み、短時間で文を書けるようになった」と坂口校長は話す。
 宮里教諭は今、各学年で20~30回行ったNIE授業のデータベース化を進める。指導案や使った記事などを教師が共有するためだ。
 海田町教委は本年度、海田西小をNIEモデル校に据えた。新年度は研修会などを通じ各小中学校にNIEを浸透させる。中村弘市教育長(60)は「NIEは海田西小の子供たちを変えた。質問に対して論理的に答えることができる。リーダーの教師が異動しても続けられるNIEのシステムづくりを目指す」と語る。

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