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小学1年から新聞活用*富良野小・大武教諭の挑戦*人物写真選び「気持ち」を想像 クラスで発表

 NIE実践のベテラン、富良野市立富良野小学校の大武敦史教諭(51)が、小学1年生の授業で新聞を活用する取り組みを模索している。3月には、国語科の単元「みぶりでつたえる」の一環で試みた。子どもたちは紙面から気に入った人物写真を選んだ上、人物の気持ちを想像してワークシートに書き、みんなの前で発表した。大武教諭は「チャレンジだったが、準備に時間を割けば1年生でもNIEが十分にできる」と手応えを感じている。(葛西信雄)

ワークシートを手にした子どもに発表の基本を指導する大武教諭(左)

ワークシートを手にした子どもに発表の基本を指導する大武教諭(左)

 3月3日、1年1組(当時)の教室―。担任の大武教諭が「新聞の勉強を始めます。みんな頑張ろうね」と話すと、児童26人が北海道新聞をいっせいに広げた。お目当ての写真を探し当てると、掲載の年月日などをA4判のワークシートに記入し、写真を切り抜いて所定のスペースにのり付けしていった。人物の気持ちを考えながら鉛筆を走らせる表情は真剣だ。
 ドイツでプレーするサッカー日本代表の香川真司選手の競技写真を選んだ子は「パスしようかな。それともシュートしようかな。やっぱりシュートして2てんめをとるぞ」。テニスの全豪オープンで錦織圭選手がサーブする写真を切り抜いた子は「ぼくはせかいで4ばんめ。ますますかつやくするぞ。みんなおぼえておいてね」と書き込んだ。
 単元の狙いの一つである自身の意見を他者に伝える体験をさせるため、選んだ理由などを発表させて45分間の授業を締めくくった。

*漢字がズラリ…

 大武教諭は昨年4月に赴任し、1年生を初めて受け持った。1年生だと、学校生活のルールの指導が優先される。新聞を活用しようにも、「習っていない漢字がズラリと並ぶ一般紙を取り入れた授業はとても無理だ」と当初はためらった。
 国語科の教科書を読み込んでいるうち、「これだ!」と思う箇所があった。「みぶりでつたえる」の単元だ。女の子が人さし指を唇に当て、「しずかにしよう」と吹き出しに書かれたイラストが添えられている。「イラストを写真に置き換えればNIEの授業は可能だ」と考えた。
 北海道新聞のページをめくり、授業で使えそうな写真を切り抜いていった。浮かない表情のオバマ米大統領、天を仰ぐプロ野球日本ハムファイターズの大谷翔平選手といった著名人に加え、風雨の中で登校する女子高校生のカットも。

*休日に親子教室

 ワークシート作成に当たり、写真のそばに空白の吹き出しをあしらい、朝の自習の時間などを利用して、当該の人物が考えていることを子どもたちに想像させるトレーニングをさせた。新聞になじませるため、親子スクラップ教室を休日に開いたりし、きめ細かい指導に当たった。
 大武教諭は「子どもたちの興味・関心を引き出し、知識や表現力を育てるのに新聞の活用はとても有効な手段だ」と振り返る。
 北海道NIE推進協議会の高辻清敏会長は「教科書を基礎にしながら、小学1年では活用が困難とされてきた新聞を生きた教材として使う素晴らしい授業だ。学ぶ力、思考力、表現力が養われ、新聞を通じて教師と小さな教え子たちの会話が弾む様子が目に浮かぶようです」と評価している。

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