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幼児教育の担い手養成 江別・北翔短大*相手の心に寄り添う*「複数の視点、考え持つこと大切」*専門科目にも記事活用

 幼稚園教諭をはじめ幼児教育の担い手を養成する北翔大学短期大学部(江別市文京台)のこども学科で5月11日、新聞記事を教材にした授業があった。来春、卒業予定の2年生約120人が履修する専門科目「保育内容環境」の中で取り入れた。担当の菊地達夫教授(46)は「教育の専門職は複数の視点、考えを持つことが大切。新聞はそれを鍛える有効なツールだ」と話す。(葛西信雄)

教材の記事から筆者が伝えたい情報を探す学生たち

教材の記事から筆者が伝えたい情報を探す学生たち

 北翔短大は2012~14年度の3年間、北海道NIE推進協議会認定のNIE実践指定校だった。例年、こども学科の卒業生の8割が保育士や幼稚園・小学校教諭として巣立っており、菊地教授が「社会の出来事を専門職の立場から的確に捉え、生かしていける力を新聞活用によって養いたい」と同僚の高橋さおり講師(33)と実践した。
 昨年度は1年生の必修科目「日本国憲法」で、東京都の認証保育所設置条例の現状を紹介する記事を使い、地方自治を保障する憲法と実際の行政執行を担う地方公共団体との関係を考えさせる授業を行っている。
 「保育内容環境」の科目は子どもの環境改善を学ぶのが主眼で、保育士・幼稚園教諭と子ども、友だち同士、親子といった対人関係の改善も対象だ。
 授業では北海道新聞の記事3本を使った。保護した犬を殺処分せず、新しい飼い主が見つかるまで保護施設で預かるドイツ・ハンブルク市の実情を紹介したエッセー「小さな命のために ドイツの動物福祉」(松尾由佳さん)も一つだ。
 高橋講師は「動物を含めた相手の気持ちに寄り添い、相互がより良い関係になるための方策を思考することが授業の狙いです」と説明した。
 学生たちは3本の記事を読んだ上で、保育士や教師になった場合を想定しながら、筆者が伝えたい情報や記事から学ぶべき点をワークシートに書いた。その後、2、3人のグループに分かれて話し合い、「犬は命ある生き物。言葉を発しないからこそ、『何を要求しているのか』といった思いやりのある接し方が大切」などの意見をまとめた。
 幼稚園教諭を目指す本間はる香さん(19)は「動物福祉の記事は幼児にも通じる内容。子どもたちは言語の発達段階だからこそ、なおさら、深く関わっていかなければならないと感じた。新聞からはいろんなことが学べます」と話した。

*長崎・活水女子大1年生*1紙以上購読義務付け

 北翔短大をはじめ、授業で新聞を活用する短大・大学が全国に広がりつつある。注目されているのが長崎市内の活水(かっすい)女子大学だ。1年生全員に新聞購読を義務付け、教養課程の主教材の一つと位置付けている。
 文学部現代日本語学科の渡辺弘・准教授によると、授業に正式に取り入れたのは昨年度。教養課程のカリキュラムを全面改定し、1年生の必修科目「シチズンシップ」と「教養セミナー」で新聞を活用している。
 入学時点で、保護者の了解の下、全国紙、経済紙、地方紙の中から1紙以上の購読を義務付ける。家庭で購読していればその新聞を使い、1人暮らしの場合は学生割引を利用して新たに購読する。
 二つの必修科目で学ぶ憲法や福祉などのテーマごとに、記事を毎日欠かさず切り抜き、スクラップ帳に貼らせている。学生によっては自分が関心のある記事も切り抜く。スクラップ帳は論文作成や討論の基礎資料として利用している。
 新聞に着目したのは情報の網羅性と一覧性があるため。渡辺准教授は「紙の媒体なので、授業で使いやすいスクラップ化も可能だ。時事問題に強くなり、就職活動でも有利」と話す。

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