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道内高校新聞*18歳選挙権 紙面化始まる*人ごとでない/関心持ち伝えたい

 選挙権年齢が来年夏から「18歳以上」に引き下げられるのに伴い、道内の高校新聞が紙面化に向けて動き始めた。一方で「選挙や政治などを誤りなく伝えられるか不安」とためらう声もある。10月初めの全道高校新聞研究大会(函館)の分科会から、高校生の論議を紹介する。(渡辺多美江)

持ち寄った新聞を手に18歳選挙権と高校新聞の関わりを議論する生徒たち

持ち寄った新聞を手に18歳選挙権と高校新聞の関わりを議論する生徒たち

 1~3日の大会には、全道56の高校から新聞局員ら約420人が参加した。
 各校が持参した7月発行の新聞の中では、帯広柏葉の見開き特集「来年夏、あなたは選挙に行きますか?」、札幌啓成の特集「自分の意思 投票に託す」が18歳選挙権の記事として目を引く。生徒対象のアンケートや大学教授へのインタビューを含め、多角的に紙面化した力作だ。旭川東、北海(札幌)、旭川工業、室蘭栄も連載記事や社説に当たる「局説」を掲載する。
 とはいえ、紙面化は少数派だ。分科会にもこの状況が反映され、31人からさまざまな意見が出た。
 掲載した高校の生徒は「投票の心構えや重要性を高校生自らの新聞として伝えた」(帯広柏葉)、「18歳選挙権のメリットとデメリットを話し合い、局説にまとめた」(北海)と報告し、マスコミとは違う高校生の視点を強調する。
 大勢を占めるのは「紙面化の重要性は分かるが、実現はまだ」という学校だ。
 「政治に無知なまま投票するのは意味がない。新聞局が自ら政治に関心を持ち、伝えたい」(士別翔雲)、「高校生新聞でしか伝えられないことがある」(名寄)、「人ごととは言えない状況」(札幌月寒、札幌旭丘)と18歳選挙権を自分のこととして受け止める。「現在は校内ニュースが中心だが、今後、政治・社会問題の記事も載せたい」との意欲がうかがえる。
 しかし、紙面化となると簡単ではない。
 第一の関門は「政治など難しい記事は不人気。読まれない」(滝川西)点だ。「必要な知識が足りない。間違った内容を書いてしまう恐怖感がある」(札幌月寒)のも、生徒たちを悩ませる。「部員数が少なく、学校行事の取材だけで精いっぱい。時間的に難しい」との切実な声もあった。
 議論を重ねるうちに、生徒たちは「高校生にとって重要な問題だ」「読んでもらえないから書かないというのはおかしい」「生徒に分かりやすい言葉で伝える」「全ての情報を提供しなくても、考えるきっかけになる記事を目指してはどうか」と紙面化の重要性を再確認していった。助言者の岩田勝美教諭(小樽潮陵)は「難しいテーマだが、勇気を持って校外に取材に出てほしい」、宮下義晴教諭(札幌東陵)は「何事にも『本当にそうなのか』と批判的に見ることが重要だ」と呼びかけた。
 分科会の司会の一人、牛木(うしき)のどかさん(札幌啓成高2年)は「18歳選挙権は書いてもなかなか読んでもらえない、でも書かなきゃいけない問題。これからも紙面プランを練っていきたい」と話した。

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