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初の北海道セミナー(2の2)*学力向上「探究型」カギ*基調講演 秋田大・阿部昇教授*教員と記者 連携が重要

 NIEは「21世紀型学力」を豊かに育てる。新聞を使わない手はないほど21世紀型学力と新聞の親和性は高い。今、日本で学力の転換が始まっている。昭和20年代から30年代に単元学習から系統型学習に変わったのに次ぐぐらいの転換点だ。ポイントは学力テストのB問題に象徴される活用型学力で、2007年の学力テスト、08年の学習指導要領改定が具体例だ。21世紀型学力は文部科学省が打ち出した思考力・判断力・表現力で、判断力では筆者の主張をどう思うかを問う。それまでは筆者の考えは絶対だった。最近は賛成か、反対かを自ら判断する。

基調講演する阿部昇秋田大教授

基調講演する阿部昇秋田大教授

 経済協力開発機構(OECD)のPISA(学習到達度調査)で、日本は最初の00年は数学1位、国語も上位。しかし、3年後に読解力で急激に下がり、PISAショックと呼ばれ、学力低下が言われた。ここから教育改革が始まった。
 実はPISAの問題は日本の教育で教えていない内容だった。「二つの意見のどちらに賛成か根拠を挙げて答えなさい」というのはなかった。ポイントはB問題だ。ここから、新聞か新聞に近い問題が出てきた。国語が最も変わった。自分の考えを示す、違いを意識する、批評する、と変わった。自分で根拠を持って考える、説得力を持って表現できるという方向だ。
 PISAの定義で、読解力は「効果的に社会に参加するため」の国語で、数学的リテラシーは「思慮深い市民」として「判断と決定を下す」。この影響を受けて、来年の学習指導要領はこの方向にさらに進む。
 批判的思考力や主体的判断力、説得的表現力に、新聞は最も効果的な教材の一つだ。全教科で使え、教科外活動や生徒指導などにも使える。新聞は扱う分野が広く、メディアとしてもすばらしい。出来事を報道する要素があり、社の意見を根拠を持って述べている。
 二つ目は新聞の大切さを知らせることだ。新聞は民主主義の成立に不可欠な存在。新聞とテレビでは新聞の方が情報量が圧倒的に多い。新聞でなくてはならない。知る権利を守るために新聞が重要だ。ネットやテレビも新聞がニュースソース。言論も新聞がリードしている。憲法を守るには新聞の役割が大きい。教育の場で新聞の大切さを知らせ、読み方や発信の方法を育てることこそ主権者教育として必要だ。社会に対する適切な問いを発することは新聞でしか学べない。
 新聞社と学校・先生との連携も大切だ。教材の発掘・開発を教育のプロと新聞のプロのコラボレーションで進めたい。記者が授業に来て、見出しの付け方などを指導するのも極めて効果的だ。取材の仕方や写真の選択、論説、編集のスキルを伝授してほしい。
 秋田県がなぜ学力トップなのか。秋田では、先生が課題を設定し、考えさせ、一人一人が意見を持ったところでグループで話し合う。代表が発表し、学級全体で学び合う。先生は意見を整理し、グループや個人に返し、まとめを板書し、ずっと消さない。学びの振り返りをする。こうした探究型の授業ができている。
 また、実質化された授業研究システムがうまく行っている。事前研究からチームで取り組み、共同で研究するのが実践されている。孤軍奮闘ではなく、チームで取り組んでいる。探究型授業ができているから、秋田の生徒はB問題に強い。無解答率、白紙解答も極端に少ない。

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