NIEニュース
北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

NIEのページ

Page of the NIE

初の北海道セミナー(2の1)*「自ら考える」記事活用*読解と表現 討論で育む

 札幌の北海道新聞本社で21日開かれた第1回NIE北海道セミナー(北海道NIE推進協議会主催)には100人近い教育関係者が集まり、子どもが主体的に学ぶ授業形態「アクティブラーニング」での新聞の有効性やNIEの今後について、5人のパネリストが活発な論議を交わした。全国学力テストでトップレベルの秋田県のテスト結果を分析する阿部昇・秋田大学教授(国語科教育)=秋田県NIE推進協議会会長=の基調講演「新聞は探究型学力を育む~学力トップの秋田からの報告~」、パネル討論の内容を紹介する。(上ケ島精一、渡辺多美江)

意見を交わすパネリストたち

意見を交わすパネリストたち

パネリスト
○渥美清孝氏(釧路市立芦野小教諭)
○高橋恒雄氏(小樽市立朝里中教頭)
 中村大輔氏(札幌光星高教諭)
 矢部玲子氏(北海道文教大講師)
 工藤真嗣氏(札幌市教育委員会指導主事)
コーディネーター
○渋谷渉氏(網走市立網走小教諭)
 ○印は日本新聞協会認定のNIEアドバイザー

■道内の現状

 渥美 全国学力テストでの調査によると、新聞をほぼ毎日読む小学生は8・9%、ほとんど読まないは54%で、読まなくなっている傾向だ。新聞活用に意欲的な先生がいても学年に広がらない悩みがある。

 中村 NIEの経験のない子は面接練習で自分の考えを持てなかったりし、就職や受験が重要な目標である高校の現場で、教師に問題意識が出てきている。

 矢部 札幌圏の大学生の調査では新聞を毎日読むのは9%。過去の新聞作成や新聞記事のスピーチなどの体験を9割が覚えている。

 工藤 NIEの取り組みの実態は行政としては十分には把握していない。財政上の課題や関係者の連携などを研究しなければならない。

■アクティブラーニング

 矢部 学生の討論では新聞記事を材料にしている。文章表現の一環で、読者のページに投稿したり記事スタイルの文章を書かせたりした。新聞はさまざまな文章を書く意味で有効だ。

 中村 読解力、表現力を高める授業で壁新聞を作る。グループや全体の話し合いは知識がないまま行うと感情論になる恐れがある。数紙の記事を比べると自分の考えを持つのに役立つ。

 高橋 文化祭の学校新聞や修学旅行新聞をはじめ、NIEはほとんどの先生が何らかの形で行っている。

 渋谷 アクティブラーニングの各年代の状況が見えた。ではスタートは。

 渥美 新聞とのかかわりは小学校1年生から始める方がいい。《1》好きな写真などを選ぶ新聞スクラップ《2》はがき新聞《3》教師が記事を音読して紙芝居のように見せる、などを提案したい。

■政治的公平性

 <会場からの発言> 社会的、政治的テーマも主権者教育の一環で必要だ。現場が安心して記事を活用できる環境が重要だ。

 工藤 世の中にいくつかの考え方がある場合は政治的公平性の担保が重要だ。その際、何紙を使うかというのでなく、子どもたちに「いろいろな説がある」と提示することが大切だ。

■普及の道は

 高橋 記者と教師のタッグが必要。学校図書館の司書教諭経由でNIEを広げる仕組みづくりはどうか。

 中村 教師同士の働きかけの仕掛けも重要だ。

 工藤 校内の体制づくりでは、管理職の先生への働きかけは必要かと思う。行政も連携して新聞活用を行っていきたい。

*効果明らか 地道に努力を

<阿部教授の講評>
 NIEの学力、アクティブラーニングへの効果は明らかだ。形だけでなく、しっかり準備することが大切だ。優れた教育は地道な努力から生まれる。先生方が楽しんで仲間づくりをしてほしい。政治的公平性で言えば、教科書でも新聞記事はせいぜい2紙の比較だ。1紙のみ載せる場合もある。授業では政治的立場への配慮が必要だが、クラス全体で結論づけをしなければいい。討論の過程で「君はどちらがいいと思うか」と聞くことは問題ない。

ページ上部へ