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カリキュラム化を模索*NIE学会全国セミナー*「誰でもできる」入り口に*年間指導内容 月別に一覧化

 NIEを一般の教科と同じように系統立ったカリキュラム(教育課程)を基に推進するため、日本NIE学会(会長・小原友行広島大学大学院教授)が研究を進めている。2月、京都でのセミナーで発表された全国三つの小学校の先進的な取り組みを紹介する。(渡辺多美江)

海田西小5年生のNIEカリキュラム 授業での新聞活用は関心の高い教師が個々の工夫で始める場合が多く、NIEを学校全体でいかに展開、継続するかが課題だ。カリキュラム化すれば、個々の教師の興味や習熟度にあまり左右されずにNIEを実践することができる。
 川崎市立東生田小学校(児童約600人)は学校教育目標達成に向けた計画に「新聞活用」を明記し、NIEを教職員全体の担当と位置づけた。教師でつくるNIE担当委員会が推進役となり、2012年度、「総合学習の時間」向けにNIEに関する各学年の年間計画を作った。
 中心となった杉山美佳教諭(現・川崎市立栗木台小学校)は「どんな時に何ができるかが学年ごとに提示され、ワークシートも用意されたことで、NIEが全教職員の目標として共有できた」と報告した。
 大阪市立開平小学校の中島順子教諭は、市立真田山小学校(児童約800人)に在籍していた時の取り組みを発表した。教職員の役割に新聞コーナーや掲示板の活用を取り入れ、08年度から国語を中心としたカリキュラムの整備を進めた。
 例えば、「1年生の6月は新聞から好きな写真を集める」といったふうに、教科のカリキュラムに新聞活用の要素を加え、系統的な指導内容とした。「NIEの実践者が転出すると活動が途絶えることがよくありますが、真田山小では私が2年前に転出した後も取り組みが残っている」とカリキュラム化の効果を語る。
 一歩進めたのが広島県海田町立海田西小学校(児童155人)のNIEカリキュラムだ。「いつでもどこでも誰でも使えるデータベース型」としたのが特徴だ。NIE担当教諭として14年度に県教委から定員外配置され、15年度は町の教育支援員として在籍する宮里洋司教諭が中心となった。
 各学年の年間指導内容を電子データ化して月別に一覧表にし、項目ごとに基本的な内容を盛り込んだ。NIE実施教科と関連教科、使用した新聞記事、教師からの質問や発言などの情報が付いている。宮里教諭は「新聞記事が古くなっても別の記事で応用できるようにした。NIEが初めての先生でも、自分なりに授業ができる」と説明する。
 NIE学会常任理事の橋本祥夫京都文教大学准教授は「初めて開いた14年のセミナーでは、NIEカリキュラムは要らないとの声が根強かった。それが、『名人芸ではなく誰でもできる入り口としてのNIEが必要だ』という認識で論議が進むようになった」と総括する。小原会長は「今回は教科カリキュラムを土台とする実践を発表してもらえた。次の段階として、NIE独自の取り組みのカリキュラム化を論議していくべきだ」と提言した。

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