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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

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変わる若者のメディア意識*全国高校NIE研究大会 課題報告*新聞・放送への信頼、期待低下/SNSで興味持つ情報選択

 若者を取り巻くメディア環境が大きく変化する中、新聞を教材として活用するNIEのあり方が問われている。3月28、29の両日、東京都内で開かれた全国高校NIE研究会の第14回全国大会では、新聞や放送、ネットニュースの関係者らが講演やパネルディスカッションを通じてメディアの現状や課題などを報告し、参加した教育関係者ら約80人が熱心に耳を傾けた。(山口恭司)

若者のメディア環境について意見を交わすパネリストたち=3月28日、明治大学駿河台校舎

若者のメディア環境について意見を交わすパネリストたち=3月28日、明治大学駿河台校舎

 大会テーマは「多様化する情報メディアとNIE」。ネット社会の急速な進展とスマートフォンの普及で、ツイッターやLINE(ライン)などの会員制交流サイト(SNS=ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が若者の主要な情報収集手段になりつつある。このため、NIE活動を進める上で情報メディアの全体像の把握が不可欠として、関係者から最新事情を聴くことにした。
 まず参加者の関心を集めたのは、新聞や放送といった従来型メディアに対する利用者意識の変貌ぶりだ。NHK放送文化研究所の中野佐知子副部長は、メディア利用に関する世論調査結果から日本人のメディア意識の変化を読み解いた。

*芸能、不祥事に関心

 中野さんは、テレビや新聞に接する機会が減少する一方でインターネットが増加していると説明。「この5年間に、新聞の詳報性や解説機能への信頼や期待が幅広い世代で大きく低下している」と述べ、本来、新聞の強みである特性が揺らいでいる現状を報告した。
 ネット検索などの大手ヤフーでニュースサイトの運営に携わる伊藤儀雄リーダーは、若者を中心にニュースへの関心が変質していることに触れた。「ネットで読まれるのは芸能や不祥事、訃報など。新聞1面級の(硬派)記事は読まれない」と指摘。ネットでの情報収集について「世の中の動きを知ることより、自分が興味を持つ情報を選ぶ傾向が強い」と語り、ニュース全般への関心が薄らいでいる点を挙げた。
 読売新聞社の松井正メディア局専門委員は「若者と接点を持つことの難しさが、世界の新聞関係者共通の危機感」とし、動画や映像、地図などを駆使してニュースを分かりやすく伝える海外メディアの取り組みなどを紹介した。

*「家庭に新聞」重要

 こうした現状を踏まえ、NIE活動を進める上での課題は何か。
 中野さんは「成長途上で出合ったメディアが成人後のメディアライフを大きく規定する。親が新聞に親しんでいる姿を子どもに見せることが大事」と、家庭で新聞に接することの重要性を説いた。伊藤さんは「高校生が使っている情報ツールに教師も日常的に触れて実感し、活用法を工夫してほしい」と要望した。
 松井さんは「ネット上にはたくさんの(関心を引く)読み物があるが、その真偽は定かではない。必ず裏を取って(事実を確認して)記事を書く組織の価値を感じてもらいたい」と述べ、従来型メディアの存在意義を訴えた。
 パネルディスカッションのコーディネーターを務めた目黒博法政大学沖縄文化研究所国内研究員は、過去のメディア教育の経験から、NIEの具体的手法として、新聞やテレビ、ネットの情報を比較・評価して批判的に読み解く能力「メディア・リテラシー」を培う「メディア横断型NIE」や、複数の教科の連携によって共通テーマの学びを深める「教科横断型NIE」の有効性を強調した。

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