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スマホ依存 考える場に*札幌手稲高で「モラル教育」*「親と意識に差」記事から気づく

 札幌手稲高校が新聞を活用した「情報モラル教育」に取り組んでいる。スマートフォンが高校生の間でも普及し、スマホを手放せない「依存症」が問題となるなか、利用する際のルールや注意点を実態に即して学ぶためだ。(山本肇)

スマホの利用について生徒の意見を聞く桶雄一教諭=6月6日、札幌手稲高

スマホの利用について生徒の意見を聞く桶雄一教諭=6月6日、札幌手稲高

 手稲高は日本新聞協会のNIE実践指定校となって3年目。「情報」の教科担当の桶(おけ)雄一教諭(46)を中心に、3人の教師が授業に新聞を取り入れている。
 毎年度、4月から8月末までの5カ月間を情報モラル教育に充てる。内容は《1》新聞から関連記事を見つけ、感想を書く《2》携帯電話・スマホの使い方を顧みて、自らに課すルールを「行動宣言」としてまとめる《3》夏休みの課題として「標語」を作る―の3部構成だ。
 6月6日午前、2年7組の生徒35人がコンピューター教室で「社会と情報」の科目の授業に臨む。桶教諭は5本の記事を用意した。保護者が決めたルールを子どもは必ずしも認識していないとの日本経済新聞の記事を基に、生徒たちは「保護者」と「子ども」の双方の立場で考える。
 生徒からは、親がルールをつくる理由として「家族とのコミュニケーションが減ってしまうから」「詐欺や事件に巻き込まれないため」との声が挙がる。どちらの立場であっても守るべきルールとしては「写真や個人情報を公開しない」「会員制交流サイト(SNS)で知らない人とつながらない」などの指摘が出る。
 桶教諭は「SNSでいろんな問題が起きているのに、生徒は自分は巻き込まれないだろうと思ってしまう。保護者と子どもの意識の差に気づかせたい」と授業の狙いを話す。
 級友の意見を聞いた後、生徒の一人は「SNSだとどこでもコミュニケーションできるけれど、直接話すことでしか伝わらないこともあるし、意思のすれ違いでいじめにつながることもある」と感想を書いた。
 「社会と情報」の科目を学ぶ2年生は「ひろげよう情報モラル・セキュリティコンクール」の標語部門に応募する。コンクールは小中高生・高専生対象で、今年で12回目。情報モラルへの理解を深めてもらうため、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催している。2013年には、矢田梨佳子さんの作品「話すとき、スマホ見ないで 私見て」が全国2位に当たる優秀賞に選ばれた。
 昨年からは、コンクールの行動宣言部門にも応募している。「スマホの使用は午後9時までにします」といったように、スマホやネット利用のルールを学級か学校単位で決めるのだ。
 桶教諭は「いまはスマホを使ってインターネットで調べたことがそのまま答えになってしまい、失敗はない。でも、挑戦しないと失敗も成功もない」と問題を提起する。そのうえで、「本を読むとか文献を集めるとか、苦労してほしい。得られた知識をどう工夫して応用するか考えてほしい」と生徒に呼びかける。

 「ひろげよう情報モラル・セキュリティコンクール」の詳細はIPAの紹介ページ(http://www.ipa.go.jp/security/event/hyogo/)で分かる。

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