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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

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第2回北海道セミナー(2の1)*読ませ方 工夫次第

 札幌市中央区の北海道新聞本社で19日開かれた第2回NIE北海道セミナー(北海道NIE推進協議会主催)には教育機関や新聞社の関係者約80人が集い、子供の力を伸ばすNIEの在り方を考えた。実践者ら5人によるパネル討論「NIE実践の導入・定着の課題を探る」と、文部科学省初等中等教育局教育課程課の杉本直美教科調査官の基調講演「次期学習指導要領とNIE」の内容を紹介する。

NIEの導入や定着の課題を話し合うパネリスト

NIEの導入や定着の課題を話し合うパネリスト

<パネリスト>
朝倉一民(かずひと)氏 (札幌市立屯田北小教諭)
福沢秀(すぐる)氏 (富良野市立富良野西中教頭)
志田淳哉氏 (札幌南高教諭)
  内山隆氏 (道教大釧路校准教授)
  箕浦(みのうら)真人氏 (道教育庁学校教育局高校教育課主査)
<コーディネーター>
高瀬敏樹氏 (札幌旭丘高教諭)
○印は日本新聞協会認定のNIEアドバイザー

 

朝倉一民氏

朝倉一民氏

福沢秀氏

福沢秀氏

志田淳哉氏

志田淳哉氏

内山隆氏

内山隆氏

箕浦真人氏

箕浦真人氏

高瀬敏樹氏

高瀬敏樹氏

 高瀬 小中高校でのNIEの実践状況や課題、意義を聞きたい。

 朝倉 最初、小学校で新聞を使うのは非常に難しいと感じた。NIEに携わるようになり、子供たちに新聞を日常的に読ませるような仕掛けをつくり、授業で積極的に使っている。毎日続けているのは「朝の新聞記事報告」。日直の児童が興味を持った記事を発表し、皆で話し合う。記事をノートに貼って内容を読み取らせる取り組みもしている。子供たちの社会を見る目が育っていると感じる。

 福沢 NIE活動を広げる上で課題がある。すでにやっている先生はオーラを出し過ぎていないか。一方で(取り組んでいない)年配の先生を変えるのは大変だ。そんな中でどう広げるかを考えた。職員室にあったマガジンラックを利用し、新聞を子供たちの手の届く所に置いた。図書室前に記事を掲示したり、昼休みに校内放送で読ませたりもしている。

 志田 高校でのNIEは先生一人一人が個人商店のように頑張っているが、横のつながりをつくるのが難しい。外に向けてネットワークを築くことが大事だ。(大学入試改革による)センター試験の廃止、高校基礎学力テストや大学入学希望者学力評価テストの導入、そして次期学習指導要領と、高校の現場は大きく変わる。「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」など、評価テストに対応する学力要素をNIEでどう身に付けさせるか、これが一番の課題だ。

 高瀬 大学や教育行政の立場からNIEの現状をどう見るか。

 内山 教員志望の学生に行ったアンケートによると、新聞をほとんど読んでいない。学生にとって新聞は身近なメディアではなくなっている。一方、新聞を使った授業によって子供に育つ力を聞いたところ、(情報を正しく読み解く)リテラシー能力や批判的思考力などを挙げた。次期学習指導要領につながるような資質、能力の育成に役立つとイメージしているようだ。

 箕浦 学習指導要領で子供に求められている理解する力、読み取る力、特に社会科で求められる資料を集めて取捨選択し、まとめる力などをどう実現するか。その実践が授業では必要だ。新聞はツールとして非常に有効な資料となる。

*定着させるには

 高瀬 NIEを定着させるためにどんな取り組みをしているか。

 朝倉 若い先生に新聞社の記事データベースの活用を教えたら、自分たちで教材や授業をつくれるようになった。記事を使ったワークシートも取り組みやすい。ワークシートを作り授業を実践することで広めていくのがいいのではないか。

 福沢 道教大旭川校の社会科教育学のゼミ活動で年2回、学生にNIEの実践法を教えている。まわしよみ新聞などの経験を積ませることで、新聞を活用できる先生を生み出したい。

 志田 学校の司書教諭の協力で、同じテーマを扱った新聞5紙のコラムのコピーを生徒や先生に配った。これを基に自分でコラムを書いた子がいて、それに対してさらに生徒が意見を述べ合った。こうした取り組みは教科の枠を超えていろいろできるのではないか。

 内山 学生に記事を使った授業の実践記録を読ませたり、模擬授業をやらせたりしている。学生は記事収集や使うタイミングの難しさ、子供の発達に応じたNIEカリキュラムの必要性を感じている。

 箕浦 先生が力み過ぎない方がいいのではないか。まずは始める、(記事に)触れてみる、でいい。ただし、教科書の理解を深める、タイムリーな話題を取り入れるなどの狙いは必要。まずは先生が(新聞や記事に)興味、関心を持たないと駄目だ。

*外部とも連携を

 高瀬 NIEへの期待は何か。

 朝倉 子供が新聞を読んだ後にアウトプットしていく活動が欠かせない。新聞作りの実践ではICT(情報通信技術)との融合が大切だ。対話が自然と生まれ、協働して授業を進めることもできる。作った新聞を学校のホームページに載せ、保護者の感想を聞くことで双方向性も期待できる。

 福沢 自分たちの取り組みを面白そうだと思う先生が増え、子供の変化も見て取れれば、実践者は必ず増える。富良野に小学生の新聞コンクールを主催している若手ボランティア団体がある。実践者はこうした(外部の)取り組みにも目を向けていくことが必要だ。

 内山 新聞を使った授業体験などを通じ、学生は授業を構想したり、深い学びとは何かというイメージトレーニングができる。授業づくりに求められる創造性を備えた教員の養成にもつなげることができる。

(山口恭司、萩原琢詩)

*仲間増やし楽しむ*北海道NIE推進協議会 高辻清敏会長の講評

 NIEの活性化には、学校全体で小さなことから取り組むことが大切。司書教諭と連携するのも方法だ。活動を広げていく上で大事なのは組織化、日常化、見える化だ。教師が楽しみながら取り組み、同じ考えを持つ仲間を増やしていくといい。子供たちが新聞記事に触れる朝の「NIEタイム」などは、日常化のスタートになる。新聞活用で子供がどう変容したかを数値で見られるようにしていくことも求められる。

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