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NIE学会 是非議論*相模原殺傷 授業の扱い「難しい」

相模原殺傷事件の記事を扱う是非を話し合う参加者=愛媛大学

相模原殺傷事件の記事を扱う是非を話し合う参加者=愛媛大学

 11月26、27の両日、松山市内の愛媛大学で開かれた日本NIE学会第13回大会の研究分科会で、相模原市内の障害者施設で7月に起きた殺傷事件の記事を教材として扱うことの是非が議論された。「扱うのは簡単ではない」との意見が相次いだが、「風化させてはいけない問題を含んでいる」と考え続けていくことの大切さを確認した。
 教師や研究者、新聞関係者ら約40人が参加した。最初に美浦克教・共同通信社編集局企画委員が事件に触れ、遺族の希望などを理由に警察が被害者名を発表せず、被害者の氏名が分からないまま報道が始まった特異性を説明した。続いて、教師らが小学校、中学校、高校・大学中心の3グループに分かれて討議した。
 通常、NIEの授業では教師が選んだ記事を子供たちに読ませ、感想を引き出したり話し合ったりする。中学校のグループは、事件の記事を授業で扱えるかどうかの論議に終始した。
 多かったのは「中途半端には扱えない」との意見。「障害者差別、優生思想などの問題が背景にあるのに『差別はいけない』『かわいそう』と単純に誘導されて終わりかねない」との意見や「差別や人権について時間をかけて学んだ後でなければ手を付けるべきではない」との発言が続出した。一方で「人権意識を高めるため扱うべきだ」との意見もあった。
 小学校のグループは「小学校では教材になじまない」との結論になった。ただ、「大きく報道された以上、家庭や教室で思いを共有し話し合うことは必要」との声もあった。
 分科会コーディネーターの柳沢伸司立命館大学教授は「NIEの授業では当たり障りのない記事を選ぶことが多いが、現実の社会では難しい問題と向き合わなくてはいけない」と説明し、「難しい問題と向き合った時こそ考えることが出てくる。考え続けることが大切だ」と呼び掛けた。(小田島玲)

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