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図書館 情報の拠点*札幌聖心女子学院中・高

 中高一貫教育の札幌聖心女子学院中学校・高校(阿部益太郎校長、180人)は授業や課題学習で新聞を積極的に使っている。ニュース時事能力検定試験の受験対策でも新聞は不可欠だ。学校図書館を情報の拠点と位置づけており、新聞の有効活用に司書が一役買っている。(山本肇)

*ネットより新聞活用

ニュース検定に向け図書館で新聞を読み比べる生徒たち。後列中央が北川孝博教諭、左隣が新田裕子司書

ニュース検定に向け図書館で新聞を読み比べる生徒たち。後列中央が北川孝博教諭、左隣が新田裕子司書

 札幌聖心女子学院は2014年3月、文部科学省から、国際的人材を育てるスーパーグローバルハイスクールに指定された。履修課程は語学に力を入れるグローバルクラスと、人文、社会、自然の三つの科学を重視するソフィア・サイエンスクラスに分かれている。
 14年度から毎年度、ニューヨークの国連本部に高1の代表10人を派遣し、移民・難民問題や地球環境問題などについて見聞を広めている。出発前に、図書館に備えてある関連図書や新聞、縮刷版、司書によるテーマ別の切り抜き、各種年鑑・図鑑、白書、事典類を参考に研究資料を作って渡航する。
 インターネット検索に頼りすぎず、紙の媒体を使い、探したい情報にたどり着くまで試行錯誤を繰り返す。調べたことは国内外の研修に生かすほか、授業で発表したり、夏と冬の課題として提出したりする。
 中学生は新聞記事の内容を1分間の発表原稿にまとめてクラスで披露したり、自分が生まれた日の新聞を縮刷版で探し、主なニュースを書き写したうえ、当時のことを家族に聞いて「自分新聞」を作ったりする。

*各紙の記事 読み比べ

 ニュース時事能力検定には昨年度、ソフィア・サイエンスクラスの高1生が初めて取り組んだ。北川孝博教諭(47)=社会科=は「主権者教育の一環だ」とし、「同じ日の新聞各紙を読み比べ、情報を取捨選択することで、批判的に読み解くメディアリテラシーの能力を養う」と新聞を受験対策に活用する狙いを話す。
 検定は日本ニュース時事能力検定協会などの主催。最難関の1級から5級まであり、昨年度は15人が3級を受け、10人が合格した。高1の全国合格率を6ポイント上回った。9月には、高1の14人が3級以上に挑む。
 14人は4月から7月までの毎週月曜日、授業の中で、日々の新聞記事や主催団体のホームページに掲載されている時事的な話題を要約したり、過去の問題や模擬テストを解いたりする。
 今月15日、図書館での授業。北川教諭は教材に使う朝刊の日付(5月2日、3日、5日)に応じて14人を3班に分け、全国紙と北海道新聞から気になるテーマを一つ選び、各紙が社説や記事で訴えようとしていることを要約するよう促した。
 3日は憲法施行70年の憲法記念日だったため、当日と前後の紙面には憲法の在り方に関する社説や記事、特集が目立つ。3日の各紙を比較した班は、読売新聞の社説や「憲法改正 20年施行目標」の見出し付きで載った安倍晋三首相のインタビューに関連し、「与党は3年後の憲法改正を目指している」とまとめた。
 同じ日の朝日新聞については「施行70年なので、憲法の草案当時の原点にさかのぼっている」、北海道新聞に対しては「『首相は在任中の改憲を狙う』とし、これからのこと(見通し)や憲法9条の空洞化について書いている」とした。
 生徒たちは、改憲の是非を問う国民投票になれば投票できる世代だと認識しており、「これから大事な問題だ」との声が出た。

*授業と連携 司書協力

 学校図書館の蔵書は3万8千冊で、文学以外の社会科学や歴史、芸術、自然科学などが3分の2を占める。生徒1人あたりの貸出数は年間36・5冊。新聞4紙と雑誌24誌を置いている。
 司書の新田裕子さん(64)は「学校図書館は授業と連携し、課題学習を支えるのが役割。絶対に手ぶらでは帰さないをモットーに、欲しい情報がそろう図書館を目指したい」と話す。

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