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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

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ワークシート*達人に聞く活用法*学習の狙いに沿い記事選び 子供の考え引き出す

 教育現場での新聞活用にはさまざまな方法がある。記事とそれを基にした問題を印刷したワークシートもその一つだ。ただ、経験の浅い教師からは「作り方が分からない」といった声も聞かれる。さいたま市見沼区の市立海老沼小学校(森裕子校長、622人)の菊池健一教諭(43)に活用のポイントなどを聞いた。(山口恭司)

菊池教諭が授業で使用したワークシート。写真や記事から読み取った季語や、写真の感想を書かせるようになっている

菊池教諭が授業で使用したワークシート。写真や記事から読み取った季語や、写真の感想を書かせるようになっている

 「それでは、季語や俳句に使えそうな言葉を書いてみましょう」。今月16日、3年3組の国語の授業。菊池教諭が呼びかけると、児童たちはワークシートに目を凝らし言葉を探し始めた。
 シートに載っているのは、国営滝野すずらん丘陵公園(札幌市南区)でチューリップが見ごろを迎えたという北海道新聞5月26日朝刊の記事だ。本社が事前に提供した新聞から菊池教諭が選んでシートを作った。
 教科書で学習した俳句の特色を記事を使って定着させるのが授業の狙いだ。子供たちは「花のじゅうたん」「あまいかおり」などと記事から抜き出したり、色鮮やかな写真から想像し「お花のおふとん」と言葉を紡ぎ出したりした。最後に全員が俳句作りに挑戦。「花の山まるでじゅうたんゆめみたい」など、それぞれの作品を発表した。森田夏花(なつか)さん(8)は「北海道は知らない所だけど、写真を見て俳句が作れてよかった」と笑顔を見せた。ありがとうございます

ワークシートを使って俳句を学習する児童の様子を見つめる菊池健一教諭=16日、海老沼小

ワークシートを使って俳句を学習する児童の様子を見つめる菊池健一教諭=16日、海老沼小

 菊池教諭がワークシートに取り組み始めたのは6、7年前。教科の学習内容に合わせて記事を生かせないかと思ったのが発端だ。初めは適した記事をうまく見つけられなかった。しかし「年間の学習内容をあらかじめ把握しておくことで、新聞を開いた時に『この記事はあの単元で使える』と気づくようになった」。現在はほぼ毎週、自宅のパソコンで作成し、授業や宿題で活用している。
 記事選びで心がけるのは、子供が社会に関心を持つきっかけになる内容かどうかという点だ。担任をしている3年生では動物やロボットに関する記事への関心が高く、特に女子には料理、お菓子が人気だ。「5年生の工業に関する学習なら自動運転技術、6年生では政治や平和などと、分野や発達段階に合わせて記事を選ぶことが大切」と話す。
 著作権法では、学校の授業などで教師や児童・生徒が必要な範囲内で新聞などの著作物を複製し、配布することが認められている。しかし、中には新聞に触れる機会が少ないことなどから、シートの活用に消極的な教師もいる。
 シート作りのポイントは何か。菊池教諭は《1》教科などの学習の狙いに沿っているか《2》子供が興味を持てる記事を選んでいるか《3》子供の考えを引き出す設問があるか―を挙げる。
 菊池教諭は教師2年目の2000年からNIEに取り組み、09年からは日本新聞協会のNIEアドバイザーを務める。海老沼小ではNIE実践指定校に認定された昨年度から、教師が順番で、自ら選んだ記事にコメントを添えて校内に張り出している。子供だけでなく、教師が新聞に親しむきっかけにもしたいとの狙いからだ。菊池教諭は「時間が取れない若い先生などは、新聞社が公開しているワークシートを利用するのも新聞活用のきっかけになるのではないか」と話す。

 北海道新聞社は2011年から、道内の小中学校教諭が本紙記事を使って作成する「道新でワークシート」を公開しています。現在は、小学生向けと中学生向けのシート(国語・社会)を毎週火曜日に当ホームページに載せています。過去のシートとともに閲覧、印刷が可能です。また、一部のシートを月1回、「NIEのページ」に掲載しています。

*北海道新聞を使った実践例  
 菊池教諭に北海道新聞の記事を使ってワークシートを作成してもらった。その一部を紹介する。

記事から健康に関する注意点などを読み取らせるシート。見出しを隠し、記事を読んで見出しを考えさせる設問は、読解力や表現力を育てるのに役立つ

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小中高生の投稿ページ「ぶんぶんtime(タイム)」に載った小学生の作文を題材にしたシート。家族について考える道徳の学習の前に使用し、授業へのスムーズな導入を狙っている

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