NIEニュース
北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

NIEのページ

Page of the NIE

記事読み対話 視野広がる*札創成高で「まわしよみ新聞」*楽しみながら「能力」引き出す

 札幌創成高校(武田洋子校長、781人)の図書委員が「まわしよみ新聞」を体験し、仕上げた壁新聞を今月14、15両日の学校祭で展示した。新聞に手軽に親しむ取り組みとして、今後、図書委員を核に全校に広めていきたい考えだ。(山本肇)

壁新聞を仕上げる生徒たちに助言する梅津麻紀教諭=12日、札幌創成高

壁新聞を仕上げる生徒たちに助言する梅津麻紀教諭=12日、札幌創成高

 まわしよみ新聞は大阪在住のまちづくりプロデューサー陸奥賢(むつさとし)さん(39)が発案したメディア遊びだ。4人前後のグループをつくって、各自が新聞から好きな記事や写真、広告を複数切り抜き、選んだ理由を順番に発表した後、台紙に貼って壁新聞に仕立てる。
 「読む」「書く」「話す・聞く」の言語能力を身に付けられるとして、本年度、三省堂の高校国語教科書「明解国語総合・改訂版」に取り上げられた。
 札幌創成高は授業や課外学習で新聞を積極的に活用しており、日本新聞協会から本年度のNIE実践指定校に認定されたばかりだ。
 校内の図書部長を務める梅津(うめつ)麻紀教諭(39)=国語科=は、まわしよみ新聞導入の狙いとして「図書委員同士の交流を深め、委員会活動を充実させること」を挙げる。図書委員は各クラスに2人ずつ、全校に48人いるが、全員集まっての活動がほとんどないためだ。
 学校では、1年生のクラスで日直が新聞から興味のある記事を切り抜き、感想を書いて発表している。図書委員は図書館で貸し出しを担当する際、気になる記事を選び、コメントを付けて掲示している。新聞活用の幅を広げ、内容を深めることもまわしよみ新聞導入の狙いだ。
 今月12日、図書館に図書委員が全員集まった。4人ずつの班に分かれ、当日の北海道新聞と道新スポーツから「これは」という記事やコラム、写真、広告をはさみで切り抜いていく。
 梅津教諭と一部の図書委員はまわしよみ新聞の公式サイトを参考に試した経験があるが、大半の生徒は初めてだ。各班とも、学年、クラスはまちまちで、最初は遠慮がちだったものの、選んだ記事について順番に発表するころには打ち解け、笑い声が上がった。
 ある班の壁新聞は「そーせー新聞」との題字で、最年少プロ棋士、藤井聡太四段の31勝目を報じる「連勝再スタート」をトップ記事に据えた。別の班は、北海道日本ハムファイターズの斎藤佑樹投手がオリックス戦で適時打を打たれてぼうぜんとする写真を貼り、「大谷(翔平)には負けない! 失点したけどね」と吹き出しを添えた。ほかに関心が高かったのは、カフェインの過剰摂取による中毒、九州の豪雨被害、内閣改造、ダニ媒介の脳炎といった記事だ。
 参加者のうち、新聞を日常的に読んでいる生徒は15%ほど。まわしよみ新聞を体験してみて、図書委員長の高橋麗未(れみ)さん(17)=2年=は「普段は1人で読む新聞を皆でおしゃべりをしながら読んでいくのが面白い。1人だと気づかないこと、思いつかないことも共有できる」と視野の広がりを実感した。
 梅津教諭が気づいたのは、3年生がリーダーになって引っ張っていたこと、普段は見せない表情で役割を果たす生徒がいたことだ。まわしよみ新聞は「生徒の潜在能力を引き出す可能性を秘めている」と手応えを得、校内で広く採り入れる方策を模索している。

ページ上部へ