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北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

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次期指導要領受けたカリキュラムは*教科横断的な活動模索*NIE考える特別分科会*社会と学校つなぎ「生きる力」を

NIEカリキュラムのあり方について意見を交わす樋口雅夫氏(左端)ら=8月4日、名古屋国際会議場

 2020年度の小学校を皮切りとする次期学習指導要領の全面実施に向け、教育現場で教職員研修などの準備が進んでいる。「生きる力の育成」「主体的、対話的な深い学び」とともに、教科横断的カリキュラム導入への関心が高い。改定を踏まえたカリキュラムづくりを模索する様子をNIEの視点で紹介する。(渡辺多美江)

 8月初め、名古屋で開かれたNIE全国大会の特別分科会。学習指導要領改定を受けたNIEのカリキュラムのあり方に関する発表からは、「つながる」とのキーワードが共通項として浮かび上がった。

 文部科学省初等中等教育局の樋口雅夫教科調査官は、今回の学習指導要領改定について「人工知能(AI)がいかに進化しても人間ならではの学びがある。予測できない変化に主体的に向き合い課題解決する資質能力の育成を、社会の要請ととらえた」と「生きる力」を解説する。

 生きる力はこれまでも学校教育の目標だったが、時代の要請としてあらためて意義付けをした点がポイントだ。「NIEが20年も前から追い求めてきたものに指導要領がようやく追いついた」と樋口氏は語る。

 その上で「社会に開かれた教育課程」との理念に注目し、「新聞はさまざまな人とつながっている。NIEを通じて学校のカリキュラムを人とつなげ、社会とつなげることができる」とNIEの効用を述べた。

 広島県三原市立糸崎小学校の宮里洋司教頭は、前任校の海田町立海田西小でのNIEカリキュラム作成の取り組みに触れ、「NIEがめざすのは、生きて働き、未知への状況に対応できる児童」と位置づけた。これは次期学習指導要領の目指すところと合致する。具体的に、思考力、判断力、表現力、発信力の育成を掲げ、年間のNIEの授業例を学年ごとにデジタルデータ(CD)にまとめた。

 授業例として、「教科」「単元」「授業のねらい」「使った記事」「指導内容」といった項目が立てられ、どんな授業だったかが分かり、自分の授業に生かせる仕組みだ。

 「一つの記事が教師と児童をつなぎ、教師を育成する。ワークシートは家に持って帰らせ、保護者にも考えてもらうので、この3者をつなぐ」と宮里氏。新聞記事を読んだ児童の発案が学校の取り組みになり、さらに地域に広がった事例も紹介した。

 中日新聞は学習指導要領改定を受け、自社のNIEカリキュラムを見直した。見出しや記事など新聞機能の説明が中心だった従来のカリキュラムに、新聞の活用、新聞づくりの学習を追加した。教科横断的に取り組めるのが特徴で、林敦郎NIEコーディネーターは「教科ごとの狙いとともに、教科をつなぐ横断的な狙いもカリキュラムに書き入れた」と説明する。

 カリキュラムの確立は教育現場の重要課題。樋口氏は「カリキュラムマネジメントは目的ではない。子どもたちの学びが小・中・高校とつながること、今の子と来年の子の学びがつながることが重要だ」と強調した。NIEの効果を研究する福山大学の小原友行教授は「次期学習指導要領が掲げる深い学びはNIEの得意分野だ。何より大事なのは子どもが育つ、子どもに力がつくこと。NIEカリキュラムがあくまでその背後にある」とまとめた。

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